地のはてから(上)(乃南アサ)

大正から昭和初期に北海道開拓民の娘として福島から知床へ渡った女性の生涯を描いた作品。

の、上巻なんですけどね(笑)図書館で予約してると、上下巻を一緒に読めることって少ないんですよねぇ。まぁ、それはしょうがない。どうしても上下巻を一緒に読みたければ「買え。」って話ですからね;;;

冒頭に「北海道移住手引草(抜粋)」というのが掲載されいる。これを読むと、当たり前なんでしょうが、かなり楽ちんな暮らしが出来そうに書いてあるんですよねぇ。まぁ、こんなのに「過酷だ」なんて書いたら誰も移住しようなんて思わないだろうけど。でも、どう読んでも、これはちょっとあんまりのような気が・・・。全てが嘘だとは言わないけど、てか、確かに書いてあることに嘘はないんだろうけど、「書いてないこと」が多すぎるって感じでしょうか。あの時代、北海道の暮らしが、特に冬の暮らしがどれだけ厳しいものだったのか。想像するだけでも眉間に皺がよっちゃいます。

そんな過酷な土地に入植したとわの一家。厳しい暮らしに逃げ出したくなっても、父親の不始末で故郷を逃げ出してきた彼らには帰る場所はない。開墾の厳しさ、ようやく収穫を得られるようになったら、今度はバッタによる虫害。父親の死、母親の再婚、そして、養父の死。とうとう、とわは小樽へと奉公に出される事になる。そして、奉公先での生活。奥様の意向で、お盆もお正月も休みを貰えず、知床の家には帰れないまま月日は過ぎていく・・・。

お話ではあるけれど、実際にこういう一家は沢山いたんだろうなぁ、と思える。知床って、今だって厳しい自然と向き合わなければいけない土地なんですよね。それが、電気もないあの頃の掘っ立て小屋のような家での暮らし。どれだけ過酷な生活をしてたんでしょう。九州に住んでる、ましてや寒さが苦手な私にとっては、想像すらしたくないと思っちゃいます。

そして、そんな厳しい暮らしを送りつつ、地面に這いつくばるようにしてでも生きていく人々。人間の強さ、逞しさというものもしみじみと感じました。

上巻では、小樽という知床よりも豊かで暮らしやすい土地で、子守りとして奉公しているとわの様子が描かれて終わりとなりました。今後、とわがどのような人生を歩んでいくのか。楽しみに下巻を待ちたいと思います。



(2011.01.18読了)






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