通りゃんせ(宇江佐真理)

うーん、うーん・・・。
面白くなかった訳ではないんだけど、思ってた以上にカタイお話でした;;;タイムトラベラー物だったので、もうちょっと緩ぅ~い感じのお話だと思ってたんですよねぇ。ちょっと予想外だったので、読みながら戸惑いも感じてしまいました。

江戸時代の農村にタイムスリップしてしまった青年サラリーマンの大森連。天明の大飢饉に直面し、助けてくれた兄妹と共に、この危機をなんとか乗り切ろうと奮闘するが・・・。


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ネタバレありです!未読の方はご注意を。

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天明の大飢饉に直面した農村。もうね、これがまたリアルすぎるくらいな描写で・・・。あの時代の農民達の苦労がヒシヒシと伝わってきて、胸に迫りました。なんだか、とっても重い真っ黒な塊を飲み込まされたような、そんな気持ちにもなったりして。かなり、暗い気持ちでの読書となりました。

苦境に立たされた農村にタイムスリップした連。その連の持つ、いわゆる「現代の知恵」で、この苦境を乗り切るのかと思いきや、なんの技術も特別な知識も持たない連は、ただただ江戸時代の農民として一所懸命に生きるのみ、なんですよね・・・。例えば、私が江戸時代にタイムスリップしたら、まさにこうなるんだろうなぁ・・・と容易に想像できるような、そんな感じ。それがね、リアリティがあるって言えばその通りなんですけど、ちょっとリアリティがありすぎるって感じで・・・。もうちょっと、ご都合主義でもいいから「奇跡の・・・!」みたいな展開もあっても良かったんじゃないかな~なんて気持ちにもなっちゃいました。

えーと、なんだか辛口気味になっちゃいましたが・・・。だからって、ツマラナカッタという意味ではないんですよー。面白かったんです。これからどうなるの?って、先の展開が気になったりもしたし、重い分、ずっしりとしていて読み応えはありました。

でも、もうちょっと・・・と、思わないではいられない。って、ちょっとなんだか矛盾してるような気もするんだけども(笑)

そして、連は唐突に現代へ帰る。まぁ、宣託があって、手順があった訳なんですが、その前の密度が濃かった分、帰る部分の展開が早すぎて・・・。「え?これだけ?」って、つい思っちゃったんですよね~。アッサリしすぎでした。なんだか拍子抜けした部分も無きにしも非ず。おまけに、「あぁ、そういう出会いな訳ね~」な展開でして。まぁ、鉄板な展開ではあるし、良かったな~とは思うんだけど、重い展開を読んできた分、お手軽すぎるようなラスト、という印象も否めなかった。

面白かったし、読み応えもあったんだけど、もうちょっと何か・・・と思ってしまいました。・・・うーん、なんだかもやもや。




(2010.11.20読了)




通りゃんせ
角川書店(角川グループパブリッシング)
宇江佐 真理

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