凍花(斉木香津)

初読み作家さん。図書館の新刊コーナーでフト手にした本だったんだけど、これが思った以上に面白くって夢中で読みました。

しっかり者の長女、自由奔放な次女、そして、甘えん坊の三女。仲の良い3人姉妹のはずだったのに、ある日、長女が次女を殺害し自首する。残された三女は、長女の行動が理解できず、殺害の理由を探ろうと動き始めるが、そこで長女が長年書き綴っていた日記帳を発見。そこに書かれていたのは・・・。


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ミステリですが、多少のネタバレをしてるやも。未読の方はお気をつけて。

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人は、それが家族であっても、自分の全てをさらけ出しているとは限らない。そして、聖人君子のような完璧な人なんている訳がない。人は誰でも、隠しておきたい部分を持っているもの。・・・そんなことを、改めて感じた作品でした。

三女と一緒に長女の日記を読みながら、「ひょー;;;」と慄きつつも、「なんか、分かるわー」と思っている自分がいたのは、私が長女だからなんでしょうか。もちろん衝撃は受けたし受け入れ難い部分もあるにはあったけれど、三女が感じたような嫌悪感は持てなかった。まぁ、慕っていた自分の姉にあんな陰の部分があったなんて事実を、そして、自分のことをそんな風に見てたのか!という衝撃を考えると、気持ちは分かるけどね。でも、私的には三女よりも長女の悪意のこもった文章にこそ、共感というかね、そんなものを感じてしまいました。やっぱ長女だからなんでしょうかねー。色々と分かる部分はありました。もちろん、実際の妹にそこまで悪意は持ってないですけどね(笑)

そして、後半。長女がこんな日記を書いていた理由や、心情が分かるようになってくると、本当に切なかった。読みながら「やっぱり・・・」と思っていた自分もいたし。精神的に病んでいようとも、それでもやっぱり長女は長女なんだよなーと思えました。ラストの、三女が長女の気持ちを受け入れて書いた手紙には、思わず涙腺が緩んじゃったりもしました。もちろん、長女が次女を殺害したという事実は変わることはなく、その事実がこの姉妹や家族にこれからも重く圧し掛かってくるとは思うんだけど・・・。


予想以上に面白く夢中で読めた作品でした。この著者、他にどんな作品を書いてらっしゃるのでしょうか。まだ検索してないんですが、ちょっと調べてみなければ!他作品も読んでみたい。




(2010.12.28読了)




凍花
双葉社
斉木 香津

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