ひそやかな花園(角田光代)

面白かった。読み出したら止まらなくなって、夢中で読んだ。

幼い頃、毎年夏にどこかの別荘に集まっていた7人。親達が知り合いだったようだか、その親達の関係がいまひとつわからない。その集まりはある年からからパッタリとなくなり、親も話したがらなかったり、無かった事として片付けてしまう。そうして、月日は流れ大人になった子ども達それぞれが、それぞれの事情で再会に向けて動き出す。そして、辿り着いた真相とは・・・。

最初の章は子供たちの夏のキャンプの記憶。どこか懐かしくもありつつ、不穏な空気も感じられて、なんだかドキドキ。どういうお話なんだろう。彼らの関係はどんなものなんだろう。いろんな思いが湧きあがってきて、いや増す緊張感。謎が多すぎてジレジレしつつ、これが堪らないんだよな~なんてことも思ったり(笑)

そして、子ども達が成長し、大人になった現在の様子が描かれる。それぞれの人生を歩みながら、時々ふと思い出す夏の記憶。それぞれが抱える問題。意図したものや偶然もあって、彼らが少しずつ再会していく。そして明かされる、あの集まりはなんだったのか。

謎は謎のままがいいのか悪いのか。家族とは・・・。知ったことによって生れるそれぞれの葛藤や迷い。切実な願い。

まぁ、いろいろ考えさせられるお話でした。角田さんなので、最後はもっと救いがないのかな~と思ってたんですが、これが意外にも前向きなラストでびっくり。でも、こっちの方が後味はいいんだけど。子どもの頃からどうも好きになれなかった紗有美が、最後にはちょっと好感が持てる人物に描かれていて、それも良かったかな。でも、なんだかいきなり最後には人が変わったような感じになってたので、違和感を持たなかったといえば嘘になるんだけども。・・・って、なんだか救いの無いラストを望んでいたような感想ですが(笑)



どんな人生だって、それを受け入れて生きていくってことが、結局は自分にとって一番いいことなんだろうな~と思った。

「~どれも子どもがいないからできることだけど、でも、子どもがいても同じ充実は得られたとは思う。だから、おんなじだよ。いたとしても、いなかったとしても。ただ、生きなくちゃならない自分の人生がある、ってだけ」p242

この文章がとっても印象的でした。あれこれウダウダ言ってる私なので、今はまだまだ無理なんだけど、いつか、「生きなくちゃならない自分の人生がある、ってだけ」なんてことをサラリと言えるような、そんな気持ちを持てるような生き方が出来ればいいな、出来るようになりたいなと、思いました。だって、人生は一度きりなんだから。





(2010.10.29読了)





ひそやかな花園
毎日新聞社
角田 光代

Amazonアソシエイト by ひそやかな花園 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • 本「ひそやかな花園」

    Excerpt: ひそやかな花園 角田光代 毎日新聞社 2010年7月 ひそやかな花園/角田 光代 .. Weblog: <花>の本と映画の感想 racked: 2010-12-04 21:38
  • 「ひそやかな花園」角田光代

    Excerpt: ひそやかな花園(2010/07/24)角田 光代商品詳細を見る 毎年夏になると、ある別荘地でキャンプに集まっていた七組の親子。背の高い木々に囲まれた一本道。刈り揃えられた芝生敷きの庭、部屋のいくつも.. Weblog: しんちゃんの買い物帳 racked: 2010-12-08 12:14