君を乗せる舟 髪結い伊三次捕物余話6(宇江佐真理)

髪結い伊三次シリーズ6作目。

不破の息子、龍之介がとうとう元服。龍之進と名を改め、見習い同心として奮闘する日々がメインに描いてある。・・・主人公は伊三次じゃないの~?なんて、思わず突っ込みたくなるくらい伊三次の出番が少ない;;;まぁ、だからと言って面白さ半減ってことではないんだけどね。でも、もうちょっと伊三次の出番を作ってくれ!メインのお話も入れてくれ!な~んてことを言いたくもなっちゃうのであった。

とはいいつつ、この中で一番好きだったのは、龍之進の初恋の顛末を描いた「君を乗せる舟」。タイトルにもなっている最後の龍之進の言葉が、切なく、やるせなく、ずっしりと心に響きました。龍之進に向かって、「頑張れ!」とついつい声援を送りたくなってしまった。

龍之進をはじめとして、妹の茜や伊三次の息子の伊与太、そして九兵衛と、子供達が少しずつ成長していく姿で、月日の流れを感じる。そして、彼らが困難に立ち向かったり、病気に罹ったりしながらも、なんとか元気に過ごしていく姿に、おろおろしたり、ほっとしたり。すーーっかり”おばちゃん”目線で読んでる自分がいます(笑)

そして、伊三次を取り巻く人々の優しさにホロリと涙腺を緩ませる。「捕物」だけでなく、こういう人情味豊かなところがこのシリーズの魅力ですね。・・・なんかね、この作品を読んでいると、いつもは見ないのに、某ご隠居様が主人公の長寿ドラマをフト見てしまって、うっかり涙ぐんでしまった時のような、そんな気分にもなったりするんですけどね(苦笑)

シリーズが重ねられていく度に、主人公の伊三次だけでなく、周囲の人々のキャラも確立され、誰もが生き生きと動き回っている、そんな印象を受けます。次はこの人にスポットを当てて欲しいなぁ・・・なんてことを思いながら、次作に思いを馳せてしまいますね。




・妖刀
・小春日和
・八丁堀純情派
・おんころころ・・・・・・
・その道 行き止まり
・君を乗せる舟



(2010.10.09読了)





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