夏光(乾ルカ)

著者デビュー作でオール讀物新人賞受賞作。6編の短編集。

先日読んだ「あの日にかえりたい」がすっごく良かったので、他作品も・・・と、早速手にとってみました。本当は「メグル」が読みたかったんだけど、私が通う図書館にはなかった;;;

面白かった!
「あの日に~」とは、雰囲気が全く違ってたんだけど(笑)こういうのも好なので、一気に読んじゃいました。

不思議な力を持つ子供。ゾクゾクするような不穏な空気。ぞわぞわわわっと鳥肌が立つような不気味さを感じながら、それでも読むのを止められない。「ぐわーっ、きもち悪いーっ!」と叫びながら読了したお話もありました。とにかく、「気分爽快!」な読後感とは無縁な作品ばかり。それでも、惹きつけてやまない、そんな魅力がありました。

「夏光」「Out Of This World」は、不思議な力を持つ子供達のお話。どちらも、途中から展開が読めてしまって、より切なさが迫ってきました。「夏光」は、最後まで書いてないんですが、日付と場所で「そういうことか・・・」と分かってしまう。やるせない気持ちになりました。「Out Of This World」はね、途中からどういうことか分かってしまって、ついついウルッときてしまった。なんというかね、ホントたまらないお話でした。
あ。ウルッときたのは「風、檸檬、冬の終わり」も一緒。どういうオチなんだろう、と訝りながら読んだんですが、最後はグッと胸に迫るものがありました。

しんみりと沁みた3編と違って、気持ち悪くなったのは「は」。もうねーっ!これはめちゃくちゃグロかった;;;いろいろ想像しちゃうと、吐き気も催すくらいのグロさ。気持ち悪いんだけど、それでも読むのは止められないんですよ!胸をさすりつつなんとか読了しました。あ~こうやって打ってるだけで思い出して、気持ち悪くなっちゃいそう。。。これから冬になって鍋の季節になりますが、「白身の魚」には箸がのびないんだろうと思います。てか、最初から具材に加えないかも・・・ね。

気持ち悪いいうか、衝撃が大きかったのは「夜鷹の朝」。女の子は幽霊だろうとは思ってたけど、口もどうかなってるんだろうとは思ってたけど!けど、まさかそんな異形だとは・・・。女の子の気持ちを思うとかなり切ないんですが、でも、正直なとこを言わせてもらうと「げげげげ;;;」と思っちゃいましたよーぅ。著者の創造力に屈服;;;って感じ。

そんな短編の中だったからこそ、衝撃が少なかったのが「百焔」かな。展開もオチもそこまで予想を裏切る事はなく・・・。一番、印象が薄い作品でした。





第一部 め・くち・みみ
・夏光
・夜鷹の朝
・百焔

第二部 は・みみ・はな
・は
・Out Of This World
・風、檸檬、冬の終わり




(2010.09.07読了)




夏光
文藝春秋
乾 ルカ

Amazonアソシエイト by 夏光 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


この記事へのコメント

べる
2010年09月14日 07:28
『あの日にかえりたい』から入ると、ちょっと戸惑われる作品かもしれないですね^^;私はこういうグロさとか黒さの作品すごく好きなので、本書を読んで「この作家すごいぞ」って一気にファンになってしまいました。
『は』は強烈でしたねー・・・。読んだ直後に旅行に行ったのですが、ホテルの池の鯉がすごく怖くみえました^^;;
でも、概ね気に入って頂けたようで嬉しいです^^
すずな
2010年09月14日 12:47
>べるさん
べるさんのおススメだけありました!私も「気持ち悪ーい!」といいつつ、こういうグロいのや黒い作品は好きなので^^;おススメありがとうございましたm(__)m
これを旅行前に読まれたんですかぁ;;;それはなかなかキツイものがありましたねぇ。
”概ね”どころか”かなり”ですよーっ♪ちょっと癖になりそうな雰囲気です。他作品も読まなくちゃ!と思ってます。

この記事へのトラックバック

  • 乾ルカ/「夏光」/文藝春秋刊

    Excerpt: 乾ルカさんの「夏光」。 太平洋戦争末期、哲彦は疎開先で顔の左半分に真っ黒な痣のある少年・喬史と出会う。村の人々は その痣は彼の母親が妊娠中にスナメリの肉を食べたことによる祟りだと噂し、喬史は学.. Weblog: ミステリ読書録 racked: 2010-09-14 07:12