黒く塗れ 髪結い伊三次捕物余話(宇江佐真理)

シリーズ5作目。

相変わらずの安定した面白さ。人情話にホロリとさせられ、最後はニッコリと微笑める。安心して読めるのがこのシリーズの良さだと、改めて感じました。

とうとう伊三次もお父さんです!このシリーズを読み始めたのは今年に入ってからなので、期間的にはそんなに長く追いかけてる訳ではないんだけど、それでもなんだかね、「はぁ・・・いよいよ伊三次もお父さんなのかぁ。。。」と、感慨深いものがあります。しみじみしちゃいますねー。それにしても、伊三次のお父さんはいいんですが、お文のお母さんってのが、いまいちピンとこないんですけどね(笑)・・・でも、そこはやっぱり自分で産んだ子供ですからね、シッカリ・・・とはお世辞にも言えませんが、それでもちゃんとお母さんしてるようで、ちょっとホッとしました。・・・って、なんかすんごい失礼発言なんですけど(笑)

今回は6話の短編が収録されていますが、なんと言っても、伊三次の子供が生れた「月に霞はどでごんす」が一番、印象的ですね。この時代で「逆子」というのは、本当に大変だったろうと思います。帝王切開というのも無かった時代だからね。まぁ、出産というのはいつの時代でも大変で危険なことには変わりないんでしょうけど。それでも、今よりもっと死が近かったんだろうとは容易に想像できる。そんな困難を乗り越えての息子誕生。読者のこちらも本当にしみじみしちゃいました。

あとは、やっぱり「慈雨」。前作の終わり方でどうなることかとヤキモキした直次郎とお佐和の二人。思ってたよりも早く再登場したのでビックリしました。いつか再登場を!とは願っていたけれど、まさか今作でとはね~。もっと先だと思ってた。でも、二人が幸せへの道を歩み始める事が出来て本当に良かったです。ホッとしました。

あとは、捕物余話らしい「蓮華往生」とかタイトル作である「黒く塗れ」も良かった。真相に辿り着くまで、ちょっとドキドキハラハラできたし。お寺ぐるみでの悪事にはビックリしたけど、ね。

前作で、ちょっとマンネリ化してきたかな~?と思ってたけど、この5作目はどのお話も楽しめました。お陰で、6作目ではどんなお話が待っているのかな~と、次作を読むのが楽しみになってきました。




・蓮華往生
・畏れ入谷の
・夢おぼろ
・月に霞はどでごんす
・黒く塗れ
・慈雨




(2010.08.30読了)





黒く塗れ―髪結い伊三次捕物余話
文藝春秋
宇江佐 真理

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