蒼林堂古書店へようこそ(乾くるみ)

「本とも」掲載短編14編をまとめた連作短編集。

職場の同僚から回ってきた本です。

蒼林堂古書店というミステリ専門の古本屋さんを舞台に、店長のマサさんと常連客の大村、高校生、小学校教師のしのぶ先生が、ちょっとした日常の謎解きを楽しむ。

日常の謎なので、タネを明かしてみれば「な~んだ」ってものも多いんだけど、そこが「日常の謎」のいいところ。どれも、それなりに楽しめました。

それにしても、100円以上の買い物をしたら珈琲が一杯サービスされ、カウンター席に何時間でも居座れるなんて!そして、そこで読み終わった本はその場で戻して(売って)帰るんですよーっ。そんな古本屋さんがあったら、私もすぐに常連客になりそう(笑)おまけに、看板猫ちゃんもいたりして。本&猫好きにはタマラナイ古本屋さん。小説の中の古本屋さんだってのに、本気で羨ましくなっちゃいます。いいなぁ・・・。

ただねぇ、この作品は雑誌に連載されてたってことで、この古書店のシステムを1編1編全てで説明されてるんですよね。全部で14編。毎回、新たな短編を読み始めるたびに、その説明がある。しょうがないとはいえ、途中から「またか;;;」とウンザリしちゃったりもしました。・・・ぶっちゃけ、その部分は流し読みになっちゃった。雑誌連載時はね、それでしょうがないと思うんだけど、こうやって1冊にまとめる時には、その部分はどうにかならなかったのかなぁと思いました。ちょっと残念だった。

短編ごとに謎があるのは当然ですが、14編全部を通じて「ひとつの謎」という仕掛けも用意されている。まぁ、その謎自体はそこまでテンションが上がるものではないんだけど、その謎が仕掛けられていたってこと自体が、ちょっと嬉しい、テンションの上がることでした。謎解きじゃないところでテンションが上がるってのは、ちょっと間違ってるような気もしないでもないんだけど(笑)でも、嬉しかったんだからしょうがない。収まるモノが収まるところに収まるっていうのは、ホントに心地良いもんだ。

そして、この作品には、短編毎にその作品に関連したミステリ本を紹介する「林雅賀のミステリ案内」がついているのが嬉しい。・・・というか、キケンです(笑)既読本があると嬉しいし、未読本には読書欲を刺激されて、これまた嬉しい。けど、読みたい本がまたまた増えていくのは大変キケン;;;うーん、ジレンマ。




(2010.09.23読了)






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この記事へのコメント

べる
2010年09月29日 07:35
ミステリ大好き人間として、こんな古本屋があったら絶対週末ごとに通ってます(笑)。文庫で買取り100円って有り得ないだろーとツッコミたくなりましたが、きっと常連さん価格なんでしょうね(苦笑)。
確かに冒頭の毎度の説明はしつこかったですね^^;
私はラストの仕掛けに爽快な気持ちになりました。あと最後の『ミステリ案内』にも^^かなり楽しめた一冊でした。
すずな
2010年09月29日 12:55
>べるさん
ですよねー!ミステリ好きには堪らない古書店でした。本当に近所にあればいいのに(笑)ま、たしかに買取り100円はないでしょうけどね^^;
ラストの仕掛けが良かったですよね!嬉しくなりました。そして、「ミステリ案内」は楽しめたんですが、キケンでもありました★
苗坊
2012年05月17日 09:44
ラストの仕掛けは驚きました。
大村の考えすぎじゃない?と思ったら物凄い仕掛けがあって驚きました。
ミステリ案内は面白かったです。カナリテンションが上がりました。
確かに危険度は高いですねー。
すずな
2012年05月18日 12:44
>苗坊さん
ラストの仕掛けは驚きつつ嬉しかったですね!
ミステリ案内には読書欲を刺激されまくりました^^;テンションがあがるけれど、ホントにキケンですよねぇ(笑)

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