交渉人・籠城(五十嵐貴久)

シリーズ3作目。

それにしても、ここんとこシリーズ物ばかり立て続けに読んでるような気がするなぁ。まぁ、たまたまなんでしょうけどね(笑)



あ、ネタバレ気味の感想です。未読の方はご注意を!



うん、面白かった。
籠城犯と交渉人とのやりとり。なかなか妥協点を見つけられない攻防戦に、どうなる?どう打開する?とドキドキしました。どっちも譲れない部分というのがあって、そこを少しずつ、少しずつ、ジリジリじわじわと取り崩していく。その緊張感溢れるやり取りにページを繰る手を止められなーい!って感じでして。夢中で貪り読みました。一気読み。

と、面白かったんだけど、ラストのオチが読めちゃったのは残念かなー。「人質の女性の耳を切り落とす」ってところで、これって・・・と思っちゃったんですよね。それまでの犯人の言動から鑑みて、これを躊躇なくやれたというのがどうもシックリこないんですもん。てか、私が「ん?」と思った違和感を、どうして交渉人が感じ取れなかったのか。そっちの方が違和感を感じてしまうんですが。話の展開上、ここで交渉人が気付いちゃったら困るのは分かるけど、私的には「気付かなかった」というところに、ちょっとご都合主義を感じちゃったりもしました。

「少年法」についても改めて考えさせられました。今までも色々と思うところはあったんですが、これって本当に難しい問題だよなぁと思います。「少年法」の趣旨?も分かるんだけど、被害者の気持ちも分かる。子供ならば何をしても許されるのか?と、現行法に違和感を感じないと言えば嘘にもなります。そして、被害者のプライバシーも守られなければならないとも思います。報道等で流されれば見てしまってますが、そして、そんな私がこんなこと言うのはアレなんですが・・・。正直、「そこまでするのか?」と感じる報道も多々あります。被害者もそうですが、最近は加害者の両親が謝罪する場面が報道されることが多くなってきましたよね。もちろん、顔にはモザイクがかけられてますけど。あれにはすっごく違和感を感じますね~。なんで、あんな報道がされる必要があるのか、私には分かりません。

あ、そうそう!その少年法があるっていうのに、作品の中では犯人の要求通りに娘を殺した少年を連れてきて、TVで実名と姿を生中継しちゃうんですよね。もちろん、本当の少年ではなく替え玉なんですけど。それでも、そういうことをやっちゃうというのにも、ちょっとリアリティを感じられなかったんですよねー。名前は本名な訳だし。実際にそういう事件が起きた時、犯人の要求通りにそれをやるのか?疑問を感じてしまいます。


と、なんだかなーと思わずにはいられない部分もあるにはありましたが、犯人と交渉人との息詰る攻防戦にドキドキさせられて、ホントに面白く読めました。



(2010.08.13読了)



交渉人・籠城
幻冬舎
五十嵐 貴久

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