善人長屋(西條奈加)

ちょっと笑って、ちょっとホロリ。

西條さんの新刊が出る度に「やっとゴメス!?」と期待するんですが、いっつも空振り;;;なかなか再会出来ませんね~。ということで、今回もゴメスの続編ではなく、ましてや烏金の続編でもなく、新シリーズ?と思える作品でした。

千七長屋は”真面目で気のいい人ばかり”との噂で「善人長屋」と呼ばれている。でも、実はその長屋の差配や店子はみな凄腕の裏家業持ちばかり。そこへ、裏家業を持たない本当の”善人”加助が越してきた!そんな加助が持ち込む厄介ごとを、差配の娘であるお縫を中心に裏家業持ちの店子達がその腕を遣って解決&人助けをする。連作短編集。

切なさに胸が締め付けられるとか、思わず号泣とか、そういう風にはならず。今まで読んだ西條作品の中では、一番気持ちを揺さぶられなかった作品でした。まぁ、すっごく良い訳でもなく、だからってつまらなかったということでもなく。そこそこって感じかな。

裏家業持ちばっかりだった長屋に、ひょんなことから一人だけ本物の”善人”が住む事になって、そこから始まる騒動。予想通りの展開に、予想通りのオチ。決まった時間に印籠を取り出す某時代劇のような予定調和。これを楽しめるかどうかが、この作品の評価を決めるんでしょう。私はですね、某時代劇もそれなりに好きなので(毎週、見てる訳ではありませんが/笑)、この作品もそれなりに楽しめました。

章を追う毎に、長屋の店子達が増えていく、ような気がした(笑)その店子達は、それぞれ個性的で魅力的。そして、彼らが振るう裏家業の腕。今度はどんな風に解決するの?とワクワクし、その胸をすくような痛快さはホントに愉快でした。あ、先に「予定調和」と書きましたが、全てが「目出度し、目出度し」の大団円で終わるものではなかったんですよね。最後にちょっとしたフェイントがあったり、ちょっと切ないラストもあったりで、そういう意味では「お!」となるような意外性もあったりして。そこら辺のさじ加減が私的にツボでした。

素直に読めて、ほっこり出来る作品でした。これはですね、シリーズ物になって、これからも続きそうな予感。お縫や加助たちに再会できるのを楽しみに待ちたい。



・善人長屋
・泥棒簪
・抜けずの刀
・嘘つき紅
・源平蛍
・犀の子守歌
・冬の蝉
・夜叉坊主の代之吉
・野州屋の蔵




(2010.07.18読了)




善人長屋
新潮社
西條 奈加

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