薔薇を拒む(近藤史恵)

ミステリと呼ぶにはちょっと弱い、だからって青春小説と呼んでしまうにはちょっとミステリ色が強いかなぁと躊躇しちゃう。そんな作品でした。

大学進学の援助を条件に、山奥の湖畔の屋敷で働く事になった博人と樋野。二人はそれぞれ壮絶な過去を持っていた。そして、屋敷に住む美少女に心を奪われる二人だったが・・・。

閉ざされた空間。二人のワケアリ少年。その屋敷に住む、これまたワケアリ母娘と使用人。こうくれば、もうね、何か起こらないはずがない!ってもんです(笑)耽美的な語り口にも乗せられて、緊張感は増すばかり。じわじわひたひたと迫りくる緊張感。いや~ドキドキしました!と同じくらい、ワクワクしましたよーっ。

・・・殺人事件が起こるまではね;;;
前置きで緊張感を煽りまくられた分、真相はちょっと拍子抜けするくらい普通でして。なんていうかね、常識的な予想範囲内って感じ。二転三転する展開!とか、意外な真相が明らかに!なんてことはなくって。真相も犯人も「あ~やっぱりそうか~」みたいな感じ。あまりにも呆気なさ過ぎて、え?これで終わり?って感じでした。

あ、ただね、ラストは「そうきたかーっ!」ではありました。真相と展開に拍子抜けしてただけに、あのラストでまた一発逆転ってとこまではいかないまでも、ちょっと唸らされました。あのラストがあったお陰で、私的評価はちょっと上がったな、という感じです。・・・って、なんだか上から目線ですが;;;


それにしても、気になるのは小夜の本音。本当に樋野を愛していたのか。愛してるのか。そして、気付いてないのか・・・。と、そこまで考えるのは、もうひと捻り欲しいと思っている私の願望なのかもしれませんねぇ(苦笑)



(2010.07.07読了)




薔薇を拒む
講談社
近藤 史恵

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この記事へのコメント

2010年07月14日 09:18
こんにちは。TBさせていただきました。
犯人に関しては拍子抜けの部分はありましたけど、ドキドキしながら読みました。
そういえば、近藤さんはこういうブラックな作品をかかれる方だったと思い出しました^^;
ラストは衝撃で、怖くなりました。
そうきたか・・・と思いました。
小夜の本音は。。。どうなのでしょう。
自分がああいう状態になってしまったから、自分を守るために好きなのを演じているような気がします。
すずな
2010年07月15日 12:27
>苗坊さん
犯人が分かるまではドキドキだったんですけどね~^^;楽しませてもらった分、ちょっと残念でした。
近藤作品って「サクリファイス」とかのイメージが強いんですよね。なので、そんなクロイってイメージが無いんですが…。もっと他作品も読まなくちゃ!
小夜は私も演じてるんじゃ?と疑ってるんですけどね。どうなんでしょう…。
べる
2010年07月16日 01:19
耽美でゴシックな世界観はとっても良かったですよね。でも、ミステリとしては・・・^^;私も小夜が樋野を本当に愛していたのかどうかは気になりました。ラストのあの感じだと愛していたのかなぁ。でも、そう思わせておいて、やっぱり嘘だったのか・・・。何にせよ、一番哀れなのはやっぱり博人なのではないかと思いました。
すずな
2010年07月16日 12:44
>べるさん
そうなんですよねー。世界観は良かったんですが、ミステリとしてはちょっと物足りなかったですね^^;
小夜の本心はどっちにも受け取れて、すっごく気になりますね~。
確かに、上手く世渡り?出来たのかと思ったものの、最後は博人が一番哀れな感じでしたね。

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