幻の声 髪結い伊三次捕物余話(宇江佐真理)

オール讀物新人賞受賞。著者のデビュー作。

うわー、これは面白かった!

連作短編集。最近ちょっと贔屓にしている宇江佐さんの著作の中で、評判の高いシリーズの1作目。デビュー作でもあるので、実はそこまで期待してなかったんですよね。ところがまぁ!読み始めたら止められなくなっちゃって、ついつい一気読みしちゃいました。

主人公である髪結いの伊三次と芸者のお文、町方同心の不破。彼らを中心に描かれる人間模様。どのお話も、そこに登場する人々の気持ちが痛い。切ない。そして、どうにもできないもどかしさ。やるせなさ。それらを包み込む、優しさ、人情。・・・こういうのには弱いんですよねぇ;;;ついつい、涙腺を刺激されてホロリとなってしまいます。

特に「赤い闇」は堪らなかった。結局のところ、はっきりした真相は分からずじまいだったんだけど、村雨はこれから主要キャラに収まるのかと思ってたので、意外な展開にびっくりでした。

そして、「備後表」には、ホロリなんてもんじゃなく、思わず号泣;;;この手の話には、特に弱いんですよね~。自分でも呆れちゃうくらい。予想通りの展開なのに、それでもついついヤラレちゃいました。

そして、そして。全編を通して少しずつ伊三次とお文の関係が深まっていくのもいい。この二人はどうなるのだろうと今後がすっごく気になって、このシリーズは、それだけでも「追いかけなくっちゃ!」と思ってしまいます。あ、もちろん、二人の関係だけじゃなく、お話の方が面白かったからってのが追いかけたい一番の理由ではあるんですよ~!

・・・とはいうものの、このシリーズも結構な冊数が刊行されてる模様;;;うーん。が、がんばらなくっちゃ(笑)



・幻の声
・暁の雲
・赤い闇
・備後表
・星の降る夜



(2010.06.20読了)





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