桃色東京塔(柴田よしき)

うん、面白かった。やっぱ柴田さんは好きだな~と改めて感じた作品でした。

表紙が桃色に輝く東京タワー。乳癌検診啓発のピンクリボン運動で、年に一度、ピンクに染まった瞬間。この表紙を見て「・・・あ、乳癌検診の申込みをしなきゃ!」と思い出しました(笑)今年は私の住む市から無料クーポン券が送られてきたので、職場の検診で一緒に受診ってのが出来なくなったんだよねぇ。いや、やろうと思えば出来るんだけど、やっぱ「無料」ってのは大事です(笑)

・・・と、話がそれました;;;

表紙から、乳癌とかも関係するお話なのかなと思ってたんですが、それは全くと言っていいほど関係なく(笑)お陰で、なんだか多少の期待ハズレ感みたいなものを感じることになってしまいました。

連作短編集。警視庁捜査一課の刑事が、ある事件の捜査で田舎の警察署を訪れ、そこで働く警察官の女性と知り合う。東京と過疎の村。遠く離れた二人は、いつしか惹かれあっていくが、様々な事件が二人の関係に影響を及ぼしていく・・・。

最初は岳彦と日奈子が交互に語る形式なのかと思ったんですが、そういう訳ではなかったようで。主に岳彦の語るものが多かったですね。日奈子はどう思ってるんだろう、どう感じてるんだろう、と想像する面白さはありましたが、逆にもどかしさも少し感じました。まぁ、そのもどかしさがいいとも思ったりもするんですが・・・。これって、完全に読者のワガママですね~(笑)

帯には「遠距離恋愛 警察小説」って書いてあったのに、二人の関係がなかなか進展せずに、それにもヤキモキ。最初のお話で二人は惹かれあって、その後の切ない、ままならない「遠距離恋愛」がメインの作品だと思ってたんですよね。てか、帯の文句だとそう思っちゃうでしょう!・・・と力説したい気持ちが強いんですが。それがね~、恋愛の方はなかなか進展せず、事件ばかりが起こっちゃって!まぁ、「警察小説」ですからね。それが当たり前なんだけどね。・・・あ、私は「警察小説」って、基本的には好きなので、恋愛がメインじゃなくっても充分に楽しめます。念のため。でもさ~帯に謳ってあれば、それはそっち方面も期待しちゃうよねぇ?と、シツコく力説しちゃったり(笑)

それにしても、「過疎の村」のわりには、事件が多すぎる!東京の岳彦と絡みすぎる!と読みながらツッコミを入れてたら、作中でもそんな文章が出てきて笑いました。ご都合主義すぎるんじゃないの?という思いが膨らんでたんですが、その文章のお陰でそういう気持ちが見事に萎んでしまいました。あまりのタイミングに、「柴田さん、すごいよ。」と違った意味でも思わず唸らされました。

行き着いた二人の関係。一瞬、哀しい結末?と思ったんですが、そうではなかったことにホッとしました。大人な二人の選択ですね。でも、私も結局は岳彦が根負けするんだろうと思います(笑)



・朱鷺の夢
・桃色東京塔
・渡れない橋
・ひそやかな場所
・猫町の午後
・夢の中の黄金
・輝く街
・再生の朝



(2010.05.31読了)



桃色東京塔
文藝春秋
柴田 よしき

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