太陽の庭(宮木あや子)

先に読んだ「雨の塔」のリンク作品。・・・とは言っても、別に「雨の塔」を読んでなくても大丈夫な感じですね。まぁ、読んでた方が、より理解できるっていうか、楽しめるのかな、とは思いますが・・・。

上流社会の中でしかその存在を知られることのない「永代院」。その中では、当主の永代由継を中心に多数の妃や側室や子供が人知れず暮らしている。女や子供達は現代社会の中では戸籍を持たず、永代院という「神の庭」の中でしか生きられない。彼らは次代の由継やその母となるべく、熾烈な後継者争いを繰り広げ・・・。

「雨の塔」同様、閉ざされた空間と狭い人間関係の中で渦巻く孤独、嫉妬、陰謀・・・。危うく、そして不安定で、読んでるこっちまでじわじわと影響を受けてしまう・・・。と、相変わらずの宮木ワールドを堪能しました。前半は、の注釈付きになっちゃうんだけど。後半はガラリと雰囲気が変わっちゃったんですよね。普通の現代社会を描き、閉ざされた「永代院」という空間と入り混じってしまう。そうきたかー!な展開で、意表を突かれました。まぁ、私としてはね、閉ざされた空間のまま終わって欲しかったので、ちょっと残念というかね、そんな気分になっちゃったんですけどね・・・。

てか、「SFなのーっ!?」と叫びたくなったのは私だけですか。まぁ、SFっていうより幻想小説って言った方がしっくりくるとは思うんだけどさぁ。正直、そっちにいくか!って思わず突っ込みをいれてしまいましたよ。うーん、まさかそうくるとは思ってなかったので、ビックリの展開でした。ビックリというより、ガッカリって方が正しいかな。宮木さんって、本当に色んなジャンルのお話が描けるんだな~とある意味、感心はしましたが、この作品ではそっち色を出して欲しくなかったっていうのが、正直なところです。

あら、なんだか辛口気味ですが;;;楽しめたのは楽しめたんですよ!宮木ワールドを堪能したし。こういう展開も意外性があって面白かったし。

でも!前半と後半の雰囲気がガラリと変わってしまって、前半の雰囲気にどーーーっぷりと浸っていた分、後半の雰囲気に馴染めず戸惑ってしまったのはホントです。で、その戸惑いが消えないまま読了しちゃって、なんだかモヤモヤが抜けきれないままなんですよね・・・。スッキリしない感じで、なんとなーくおさまりが悪い感じ・・・。むー。



・野薔薇
・すみれ
・ウツボカヅラ
・太陽の庭
・聖母


(2010.06.09読了)




太陽の庭
集英社
宮木 あや子

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この記事へのコメント

2010年06月21日 22:41
すずなさん、こんばんは(^^)。
『雨の塔』と同じ世界ではありつつも、別の物語でしたね。
〈西の家〉の辺りは、確かにSFっぽかったですねぇ、時間が流れないとか(笑)。私的には日本神話が現代ものに流れ込んでるという感じでした。
前半と後半は違った感じでしたね~。滅びゆくものの悲しさ、という風に後半は読みました。
すずな
2010年06月22日 12:43
>水無月・Rさん
装丁の感じから続編かな?と思ってたんですが、同じ世界でありつつ別の物語でしたね。ちょっと残念な気持ちもありましたが、とっても楽しめたので良し!って感じです(笑)
後半は前半の雰囲気とガラリと違ってしまって、それに乗りきれなかった感じでした。滅びゆくものの悲しさ。まさにそうでしたね。
苗坊
2013年05月16日 23:32
こんばんは^^
すずなさんの記事を拝見した瞬間「しまったー!」と思いました^^;「雨の塔」未読です…いつか←読みます。
お気持ちわかります。途中までこのどこか異世界の雰囲気に酔いながら読んでいた気がするのですが、いきなり現実を突き付けられた気がしてちょっと残念でした^^;
すずな
2013年05月17日 12:37
>苗坊さん
未読でも十分に楽しめると思いますので大丈夫ですよー。でも、いつか(笑)、機会があれば読んでみてくださいね~。
前半と後半で雰囲気が変わってしまったのは残念でしたね。でも、面白かったですよね!
yoco
2016年05月08日 08:50
すずなさん、こんにちは~^^
後半になってから忍び寄る現実に、慄きながら読みました。いろいろいけないのかもしれないけど、前半の幻想的で美しい世界も魅力的で、もっと浸っていたかったので残念な気もしています。
逆にいえば、私は「雨の塔」未読なんですが、こちらはずっと閉鎖的なあの空間を楽しめるのかしら・・・?
どちらにせよ、宮木さんの作り出す世界の幅が広くて、読めてよかった1冊でした^^
すずな
2016年05月21日 04:43
>yocoさん
前半と後半の雰囲気の違いがちょっと残念でしたけど、宮木作品独特の世界を味わえた作品でしたね。
そうですね、もしかすると「雨の塔」の方が堪能できるかもしれません。

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