ヤングアダルト パパ(山本幸久)

14歳の中学生男子が5ヶ月の”息子”の保育所探しをする話。

・・・さらりと書いてある文章に騙されそうになるけど、よーく考えるとかなりすんごい作品でした。中学2年生が5ヶ月の子持ちだよ?もっともっと重くてシンドイ展開になりそうなテーマなんだけど、そこが著者の凄いところなのか、全くそんなことはなくって。こういうテーマでもこんな作品が書けるんだな~と、ちょっとビックリなお話でした。

中学2年生の静男には優作という5ヶ月になる息子がいる。赤ん坊の奥さんは10歳以上年上で、ある日、彼ら父子を残して消えてしまった。夏休み中だったので、しばらくは子育てできたけど2学期が始まるとそれも無理。そこで、静男は優作を預かってくれる保育所探しを始めたが・・・。

静男が飄々としすぎ!と突っ込みをいれたくなる(笑)ホントに14歳か!?と疑いたくなるくらい大人なんだもん。まぁ、それくらいじゃないと、一人で5ヶ月の息子の子育ては出来ないかもしれないけどさぁ。優作の世話をする静男の姿は到底、中学生には見えません。中学生ってもっともっと子供じゃないのかなぁ・・・。と、こうして感想を書いてると違和感を感じちゃいますが、読んでるときはそんなことは全く気にならなかったんですよね。保育所探しに奔走する静男を心から心配して、素直に応援しちゃいました。

保育所探しに奔走する静男の姿は、現実のお母さんたちの姿にだぶる。待機児童200名っていうのは大袈裟でもなんでもないんでしょうね。私の住む田舎では流石にそこまではないんだろうけど、この物語で描かれているような児童課でのやり取りはどこでも見られる風景なんだろうなぁ、と疑いも無く受け入れられるんですよね。共働き家庭を取り巻く環境はまだまだ厳しい。

同級生や託児所の職員やなど、保育所探しに奔走する静男を取り巻く周囲の人々がとっても優しいのが救い。というか、やっぱり子育てって、こうやって色んな人の手助けがなくっちゃ難しいんだな、ということを改めて実感させられました。

現実を考えた時、静男と優作の法律上の関係はどうなるんだろう、優作の籍はどうなるんだろうというのは、とっても気になりるところなんだけど。そこら辺はこの作品では触れていないんですよねぇ。まぁ、そこはね、この作品を楽しんだ読者としては、見ない振り~をしたいと思います(笑)

あとね。花音さんはどうしちゃったんでしょうね。どこでどうしてるんでしょうね。結局、作品中では触れられないままだったんですが、そこら辺もとーーーっても気になります。




(2010.05.30読了)




ヤングアダルト パパ
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山本 幸久

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