リミット(五十嵐貴久)

面白かった~!
でも、ラストはちょっと不満も残ったかなぁ。。。

なんだか久々の五十嵐さんのような気がします。新刊が出てるのは知ってても、タイミングが合わず、そのまま・・・って感じになっちゃってたんですよね。

深夜放送のラジオ番組に届いた「番組が終わったら死にます」という自殺予告メール。本気だと主張するディレクターや、悪戯だったら・・・と危惧するラジオ局の上司達、そして、どっちにしろリスクは負えないと取り合わないパーソナリティ。何とか番組で取り上げ、自殺を阻止しようとするディレクターの安岡は・・・。

ラジオ番組が舞台なので、話し言葉がだらだらと続くことが多いんですが、読んでて気にならないというかですね。逆に、ぐいぐいと引き込まれて夢中で読んでしまいました。本人から連絡があるだろうかとドキドキハラハラしたり、これでもかこれでもかと被せていく言葉の数々に圧倒されたり。「ラジオ」という声だけが頼りの媒体で、どこまでのことが出来るのか。関わる人々の熱意や焦燥、そして諦念に、こちらも抗うなんて出来ずに巻き込まれてしまいました。

普段の放送でも一瞬も気を抜けない生放送なのに、自殺予告メールという非常事態。じりじりとした緊迫感は読んでるこちらにも波及してきちゃって。想像だけの、しかもフィクションだっていうのに、こっちまで力が入っちゃってねぇ(笑)読了後はグッタリと疲れちゃいましたよ。ホントにもう。でも、その疲労感が逆に心地良くって・・・。読者冥利に尽きるっていうかね、一種の清々しさみたいなものも感じたりして。うん、良かった。

・・・と、綺麗に締めくくりたい気持ちもあるんですが、最後がちょっとねぇ;;;序盤から中盤にかけては緊張感も漂ってドキドキハラハラと楽しめたんですが、その反動なのか、ラストがどうもサラリとし過ぎるっていうかね。アッサリと終わっちゃったような気がして・・・。予告メールを出した本人を確保してから、もう一山欲しかったなぁという気が無きにしも非ず。自殺を決心した出来事っていうのは、心情的には理解出来るんだけど、なんていうかね、ラジオ局での出来事の方がリアリティを感じられたんですよね~。もちろん、この作品はラジオ局でのやりとりがメインだっていうのは分かるんだけど、そっちの方の描き込みが圧倒的に少なすぎるっていうか・・・。もう少しそちらにも力を注いで欲しかったなぁと思っちゃいました。うーん、ちょっと上手くいえないんだけども。

ということで、すっごく面白くって楽しめたんだけど、最後にもうちょっと何か欲しかったなぁという気持ちも残ってしまったのでした。




(2010.05.01読了)



リミット
祥伝社
五十嵐 貴久

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