風待ちのひと(伊吹有喜)

うん、良かった。
フト手にした「四十九日のレシピ」が想像以上に良くって、すぐに図書館でこの作品を借りてきました。四十九日~がけっこう良かったので、ちょっとドキドキしながら読み始めたんですが、そんなのは杞憂でした。こちらも一気読み。

第三回ポプラ社小説大賞特別賞受賞作。

“心の風邪”で休職中の39歳男性が、療養と遺品整理の為に亡くなった母親が住んでいた町を訪れ一夏を過ごす。そこで息子と夫を亡くした同じ歳の女性と知り合い惹かれあうが、男性には妻と子供がいて・・・。

二人の距離が少しずつ、本当に少しずつ近づいていくのがいい。ゆっくりと二人の気持ちが重なり合い、解け合っていく。もどかしくもありながら、そのスピードだからこそ逆にすんなりと受け入れられる感じ。年齢のせいか、”激しい”イキオイはないけど、こういうジワジワと沁みるような穏やかな恋愛っていいなーと思った。

そのまま穏やかに順調に進むのかと思いきや、ラストは「え?どうなるのっ!?」とかなりヤキモキさせられました。そうきたかーっ!と思わず心の中で突っ込みをいれちゃいましたよ(笑)この著者、一筋縄ではいかないっていうか、なかなかスンナリ「目出度し、目出度し」で終わってくれない。まぁ、そこが意外性もあっていいんだけどね(笑)でも、なんだか流れ的に「もしかしてこのまま・・・」と哀しいラストも想像しちゃうくらいの展開にドキドキハラハラ。最後まで目の離せない読書となりました。最後はニッコリ笑顔になれてホッとしました。・・・あ、ネタバレ;;;

ストーリーだけでなく、喜美子さんの作る料理も美味しそうで!うわー、私もご相伴にあずかりたーい!と思いました(笑)そしてそして、マッサージの気持ちよさそうなこと。もうね、哲司が羨まし過ぎる。私の肩にホットタオルが置かれ、喜美子さんの手でもみもみ・・・あぁ、想像しただけでウットリしちゃいます・・・。て、なんか私って怪しい人じゃないですか!(笑)料理やマッサージもそうですが、クラシックも聴きたくなる作品でした。特にオペラ。どれかを覚える程に聴き込んで、同じ演目の他の演奏者のを聴く。そうすると違いが分かって、「こっちが好き」という好みが出てくる。そしたら、その演奏者の他の作品を聴いてみる。あぁ、そういう聴き方があるのか!と目から鱗でした。好きな曲はあっても、演奏者とか、その違いって良く分からなかったんですよね。こういう聴き比べ方をすると良く分かりそうですよね。せっかくだから「椿姫」でやってみようかな、とか思っちゃったり。・・・まぁ、思ってはいても、なかなか行動に移せないのが私の悪いところなんですけどね;;;


すぅ~っと吹き抜ける風を感じ、優しい気持ちになれるだけではなく、「ワタシモガンバロー!」という気力も貰える物語でした。


(2010.05.15読了)



風待ちのひと
ポプラ社
伊吹 有喜

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