四十九日のレシピ(伊吹有喜)

良かった!
死者を悼み、残された者が再生する物語ではあるんだけど、単に優しいだけじゃなく、結構シンドイ展開もあったりして。ピリリと棘があったのが効きました。

某密林書店で何気に目に入って、なんだか気になって手に取ってみました。最近、図書館で借りてくるのは予約本のみ。職場の同僚から回ってきた「宿題」(笑)は山積みで、図書館の予約本の合間にそれらを必死に読む・・・という日々だったので、久しぶりに「呼ばれた」本を手に取ったような気がします。で、これがまたアタリ!でして。うふふふふーと嬉しくなりました。

熱田家の母である乙美が亡くなった後、夫である良平は自堕落な日々を送り、継子である娘の百合子は夫の浮気相手の妊娠発覚で父の暮らす実家へ帰る。そこに、亡き乙美に頼まれたと言う女の子が乙美の作った「レシピ」を実行する為に現れる。四十九日に大宴会を行うというのだが・・・。

実は想像してた作品とはちょっと違ってたんです。タイトルと某密林書店の説明?から、亡くなった人が、家族の為に四十九日までの「毎日の食事のレシピ」を残し、日々それを食しながら家族が前向きに生きる気力を取り戻す・・・そんなお話だと思ってたんですよね~。「初七日には○○を食べる」みたいな。ところが、残されていた「レシピ」っていうのは、食事だけでなく「掃除」「洗濯」「美容」など日々の暮らしの「レシピ」であって、特に”食”だけに限ったものではなかったんですよね。意外というかですね、予想を軽く外されて、悔しいというよりも逆に惹き込まれました。

残された二人が少しずつ前を向けるようになった頃、四十九日の大宴会が行われる。もうね、涙腺の弱い私はご想像通り(笑)うるうるる~~~んですよ。しっかり泣かされました。

で。そこで、目出度し目出度しの大団円で終わるのかと思いきや、良平が私の予想を裏切る行動を取りまして・・・。えぇーっ!?とビックリ。最後の最後にそんな行動を取るとは・・・。私は、今までに身近で大事な人を亡くした経験がないので、あの川原での良平の心理が理解出来ないというかですね。私的には突飛過ぎる行動に思えちゃったんですが・・・。良平はもうすっかり乙美の死を受け入れ、消化したと思ってたんですよね。でも、四十九日ではそこまでにはなれないし、まだまだ揺れ動くものなのかもしれませんね。てか、そういうものなのでしょうか・・・。


(2010.04.25読了)



四十九日のレシピ
ポプラ社
伊吹有喜

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この記事へのコメント

2010年05月29日 22:37
こんばんわ。
TBさせていただきました。
面白かったです。
私も、評判などを聞いたのではなく、気になっててにとった作品で、アタリで良かったなぁと思っていました^^
私も料理のレシピだけだと思っていたのですが、暮らしのレシピ。素敵ですよね~。確かに、食べるだけでは生きていけないですもんね。最後は良平も百合子も生きる気力を取り戻して生き生きしているように見えました。
すずな
2010年06月02日 05:17
>苗坊さん
アタリでしたね!こうやって、呼ばれた本が面白いと嬉しくなりますよね♪
料理だけじゃなく暮らしの様々なレシピというのが良かったです。このレシピを見てみたい!と思いました。

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  • 四十九日のレシピ 伊吹有喜

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