横道世之介(吉田修一)

どこにでもいそうな大学生、横道世之介の大学生活最初の1年間を描いたお話。「本屋大賞」ノミネート作。

長崎の高校を卒業して東京の大学に入学する為に上京した世之介。彼と出会い、1年間を一緒に過ごした人々。彼らの1年間。そして、その合間に挟まれる20年後の彼らの姿。

ま~なんということもない普通の男子大学生の1年間。それが淡々と綴られるものだから、正直、これがどうして「本屋大賞」にノミネートされたのか分からないなーと思いながら読んだ。ま、でもね。ただ単に、それは私の好みに合わないってだけな可能性も大な訳でして。実際、そういう小説も多いしね(笑)「ふーーーーん。」って感じで読んでたんだよね。

ただ、途中に挟まれる世之介と関わった人々の20年後の姿ってのは興味深く読んでました
。彼らもすっかり大人になって、世之介との交流は皆無な感じで。私も周囲を見回すと、学生時代の友人たちとはほとんど没交渉になってるんですよね。就職、結婚、出産、子育て、転勤、転職・・・色んなきっかけで、だんだんと連絡を取り合うことも少なくなって、いつの間にやら没交渉。フト、あの頃交流のあった彼らはどうしてるんだろう?と思ったりもしました。

で、そのまま淡々とラストを迎えるのかと思いきや、びっくりな展開になりまして。世之介本人の20年後の姿は描かれないものの、20年後の世之介がどうなっているのか、学生時代に世之介と関わった人々を通して語られる。それも、かなり哀しい語られ方で・・・。思わず、絶句しちゃいました。そういう結末ってどうなの?と著者に詰め寄りたいような、そんな気分。学生時代の彼女が受け取った写真の意味がわかったところでは、思わず涙が溢れてしまいました。彼女本人が全く覚えてないってことが、より切なさを増しました。

途中まではハズレ?と思いながらの読書でしたが、どうしてどうして。とっても心に沁みるお話でした。


(2010.03.05読了)





横道世之介
毎日新聞社
吉田 修一

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この記事へのコメント

2013年05月15日 23:09
そうそう、読み始めはオーソドックスな、いや、ありきたりな 笑 青春小説かと思いましたが、とっても良かったですね!!!
すずな
2013年05月16日 12:35
>yoriさん
そうなんですよねー。最初は、どこが面白いの?(←失礼;;;)なんて思いながら読んでたんですが、最後はウッカリ涙腺が緩んでしまいました。
良かったですね~。

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