よろこびの歌(宮下奈都)

優しい物語。読みながら優しい気持ちになれる、そんな作品でした。

新設女子高を舞台に、音大付属高校の受験に失敗した御木元玲やそのクラスメイト達を描いた連作短編集。

1章目はアンソロジー『Re-born はじまりの一歩』で既読。その時、とっても気に入ってたので、こうして続編?が読めて嬉しい。

女子高校生それぞれがそれぞれの悩みや葛藤を抱えつつも、自分なりの精一杯で高校生活を送っている。読みながら不思議な気持ちになっちゃいました。物語のそこここに、懐かしい顔がチラチラと見えるんだもん。浮んでくるんだもん。なんていうかね、読みながら自分自身のあの頃を思い返さずにはいられなかった。あまり思い返したくないような、そんな学生時代だったけれど、あの頃の私だって、不器用なりに一所懸命頑張ってたんだよなぁ・・・と、そんな風に優しい気持ちで思うことが出来ました。いつもは、あの頃の自分を思うと居たたまれない気持ちになるんだけど、今回初めて、あの頃の自分を愛おしく思えたような気がします。

御木元玲で始まった物語は御木元玲で終わる。1章目の彼女と最後の章の彼女では全く違う人のよう。途中、彼女のクラスメイト達の姿を読みながらも、彼女の変化をゆるゆると感じてきましたが、最後にくっきりと彼女の変化を目の当たりにした時、もうね、じわりと滲む涙は止められませんよーっ!て感じでした。なんだか、まんまと著者の掌の上で転がされたような気がしますが(笑)

心にしんしんと沁みる良いお話でした。良いお話をありがとうございました。そう著者にお礼を言いたい、そんな気持ちになりました。


do よろこびの歌
re カレーうどん
mi No.1
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la 夏なんだな
si 千年メダル




よろこびの歌
実業之日本社
宮下 奈都

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この記事へのコメント

2009年12月26日 20:22
明るくて元気に見えてた娘が別の短編では悩みを抱えている様子もわかって、連作短編集にして成功でしたね。その渦中にいるときは自分のことに手一杯で、なかなか他の人の思いにまで手が回らないんだよなぁ~なんてことも読みながら思い返してました。玲の成長はもちろんのこと、他の女の子たちの成長も見えて眩かったです。
すずな
2009年12月31日 07:13
>エビノートさん
本当にその通りで、連作短編集にして大成功でしたよね~。
自分のあの頃を思い返したり、女の子達の成長に心躍らせたり・・・良いお話でした。
2010年02月02日 21:20
今年もよろしくお願いします。
短編集かと思ったら、連作になっていて、他の章では、他の人から見た面も見ることが出来て、とてもよかったです。
ちょっとした気持ちの持ち方で変われるんですよね。
登場人物すべてに明るい兆しが見えて、心が温かくなりました。
すずな
2010年02月04日 05:14
>花さん
こちらこそ、よろしくお願いします。
連作短編集ってことで、同じクラスの同級生達それぞれの抱える悩みや交流が見れて良かったですね。
それぞれが悩みながらも前に向かって進む姿にホッと出来るラストでしたね~。
2010年02月04日 22:42
真剣に悩みつつ、簡単に諦めてしまう。確かにそうだった。思春期時代の自分をふと思い出しました。今ならちっぽけなことかもしれませんが、キャパの少ないあの頃はそれでいっぱいいっぱいでした。これ、すっごくいい作品でしたね。
すずな
2010年02月06日 05:26
>しんちゃん
ついつい、あの頃の自分を思い返しちゃうような作品でしたね。
本当に、すっごくいい作品でしたねーっ。
べる
2010年09月18日 07:06
実は私はアンソロジーで読んだときはちょっと残念な印象だったんですよね(自分の記事でも書きましたが)。合唱から離れてなんでマラソンに行っちゃうかなぁ、と(苦笑)。でも、連作形式にしたことで、この時のエピソードがその後の玲の成長に大きく関わっているとわかって、溜飲が下がりました。なんだかキラキラ輝く感性に触れた感じで、気持よく読み終えられました。他の作品も読んでみようと思います~。
すずな
2010年09月20日 12:38
>べるさん
たしかに合唱からマラソンって「なんで?」って感じですよね~(笑)他の章を読めば納得できるんですけどね。
あ~そうですね。まさに「キラキラ輝く感性」って言葉がぴったりくるような作品でした。
是非、他作品もお手に取られてみてくださいね。
苗坊
2013年01月12日 23:33
こんばんは^^
カキコありがとうございました。
私もカキコさせていただこうか悩んでいたのですが、結構前だったので止めちゃいました^^;失礼いたしました。
私もアンソロジーで読んでいました。その頃はそこまで心に響かなかったのですが、やはり1冊読むと印象は変わりますね。本当に素晴らしかったです。高校生ならではの葛藤が何だか初々しかったです。
みんなキラキラしてましたね^^
すずな
2013年01月13日 07:55
>苗坊さん
お気遣いさせてしまって申し訳ないです;;;過去記事にも遠慮なさらずいつでもお待ちしてます。ただ、時々私の記憶力がダメダメな時があってご迷惑をおかけするかもしれませんが^^;

アンソロジーで読むのと一冊の本として読むのとでは印象が変わりますね。連作集となってすごく良い作品となりましたね。高校生らしい葛藤が微笑ましく、ちょっと眩しく思えましたね~。

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