落照の獄(小野不由美)

yom yom 2009年 10月号掲載の「十二国記」シリーズ短編。

「華胥の夢」の『帰山』で語られた柳国のお話。・・・という事前情報は入手してたので、てっきり柳国王が主人公のお話だと思ってたんですけどね。予測は思いっきり外れてしまいました。結局、『帰山』で二人が推測してたように、国王が変化している・・・ようだ、ということだけしか分からず。そういう意味では、「早く知りたいよーっ!」な気持ちが益々膨らんだだけのお話でした。もうね、その後の戴国も気になるのに、柳国までもなんて。ホント、いつまで待たされるんでしょうね;;;どこの国でもいいから、早くガッツリ長編を読みたいよーっ!

と、叫びはおいといて(笑)
短編の方は、とっても重いものでした。日本で始まった裁判員制度の負の部分、弊害について語られたような、そんな印象も受けたんですけどね。私個人の意見としては、法を司る者、人を裁く者は、情を交えるべきではない、誰かの意見に流されるべきではない、と思っています。なので、情に流されやすいと自覚している自分は、裁判員はやるべきではないと思っているんですよね。そういうこともあって、この瑛庚の苦悩、葛藤を、「もし自分が裁判員に選ばれたとしたら・・・」なんてことを考えながら読んでしまいました。どんな人であれ、人に「死」を下すということにも躊躇を感じるし、やっぱり自分には、公正な判断、理性的な判断を下せる自信はないなぁ・・・なんてことを、改めて感じました。

人によって、その刑罰が本当に刑罰としての意味を持つのか、というのも判断が難しい。そんなことも改めて感じました。「死刑」が本当にその加害者にとって「最たる刑罰」となるのか。死刑以外の刑罰であっても、その罪を悔い、二度とこんな刑罰は受けたいくない、と本人が本当に思っているのか。人の考えは千差万別なんだと、刑罰であってもそうなんだということ。ちょっと考えると、それも当然なことだと思えるんですが、理解するのは難しいよなぁ・・・。

人が人を裁くことの難しさを改め考えさせられた作品でした。


さて、この短編が掲載された「yom yom 2009年 10月号」には、小野不由美さんの他にも豪華執筆陣が名を連ねています。うわーうわーうっわー!と興奮しつつ、図書館の予約本、職場の貸本ルートから回ってきた本、某密林書店で人差し指がポチッとした本などなどの積読本の山の”下”に捻り込んだのでした(笑)「読書の秋だ。ガンガン読むぞーっ!」・・・気合だけは人一倍なんだけどねぇ;;;





この記事へのコメント

2009年10月06日 12:25
重かったですねー。
計算しつくされたやるせなさ、この二進も三進も行かずに滅びに向かう感じに、感服です。

でも、長編が読みたいです。こういう読者の声に対する作者の反応が、前作だったとは思いつつも、あの人たちはどうなったのーっ、と次をまた待ちたいです。
すずな
2009年10月07日 15:23
本当に重かったー。
でも、その分、ハマったような気もする^^;

うん。そろそろ長編が読みたいよね。

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    Excerpt: 小野不由美 2009 yom yom7月号vol.12 小説だから、こういうこと Weblog: 香桑の読書室 racked: 2009-10-06 12:22