床屋さんへちょっと(山本幸久)

父の興した会社を倒産させてしまった男性。彼の人生を娘との交流を中心に時間を遡って描く連作集。

正直、途中読むのがシンドイなー;;;と思う部分も多かった。娘のワガママ加減とか、娘の婚約者の強引さとか、その他の登場人物達にもイライラしちゃって。なんか、どうにもこうにも不快感を感じずにはいられなかったんですよねぇ。男性が「会社を潰した」って負い目をずーっと背負って真面目に生きてるってのに、周りの人はなんだかちょっと・・・と、そんなことばっかりが気になってしまって。なんだか、物語にどっぷりはまり込めなかった;;;おまけに、タイトルの「床屋さん」についても、思ってたほどには描かれて無くって。もっと、床屋さんとの交流を描いて欲しかったなーと思ったのでした。

実はね、この「時間を遡る」っていう構成もシックリこなくって。なんで、”遡る”構成なんだろう?とか、普段はスンナリ受け入れられるような部分も気になっちゃって・・・。今回に限ってどうしてこんな部分が気になっちゃったのか自分でもわかんないんですけどね。

イマイチかな、と思いつつの読書でしたが、最後の章を読んで、この構成も、章毎の内容も、なんだかストンと腑に落ちました。これを描く為だったのかぁ!と納得。モヤモヤ居心地の悪さを感じながら読書だったのが、最後の最後になってやっと落ち着けたような、そんな感じでした。ただ、なかなか衝撃的な内容ではありましたねー。思わず「そんなぁ;;;」と堪らない気持ちになったのもホント。

最後の章でモヤモヤが落ち着いたのは良かったけれど、その章の為にそれまでがあったというのがスケスケなのが、なんだかなーと思うところではあります。小説って本来そうあるものなんだろうけど、あまりにもスケスケだとちょっと興醒めしちゃうんだなーと、感じてしまいました。決して、ツマラナイ訳ではなく、山本さんらしい人情味に溢れてて楽しめたのも事実なんですが、なんだかスッキリしない読後感となってしまいました。うーん;;;


・桜
・梳き鋏
・マスターと呼ばれた男
・丈夫な藁
・テクノカットの里
・ひさしぶりの日
・万能ナイフ
・床屋さんへちょっと



床屋さんへちょっと
集英社
山本 幸久

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