楊令伝(十)坡陀の章(北方謙三)

童貫の死後。崩壊した宗国、そして梁山泊や楊令は・・・。

前巻を読んでから、この作品はどうなるのかと期待と不安が入り混じった状態でこの巻を手にしました。思ったよりは面白かったかな、という印象です。でも、なんだかなぁ・・・。この作品は童貫と楊令の闘いがメインだと思ってたので、この巻はどうしても作品の”エピローグ”っていう気持ちが抜けきれないというかなんというか・・・。もちろん、タイトルからして梁山泊のお話ではなく楊令のお話なんだから、こういう展開になるのも分かるんだけどね。

青蓮寺の暗躍で南宋が起ったものの、まだまだ形すら見えず。梁山泊や楊令は新しい国の形を模索する。この梁山泊の新たな国造りがどうなっていくのか。それが、これからのこの作品とメインとなりそうです。このまま繁栄していく・・・というのはなさそうな気がするなぁ。だからとって、ガラガラと崩壊していくこともなさそうなんだけど・・・。なんだか、この巻から新しい作品になったような印象も受けます。

梁山泊軍として戦った漢達の世代交代が、益々著しくなったなぁという印象を強く受けたのもこの巻の特徴かな。去っていく者への寂しさと、新たな若者への期待を感じました。金大堅の「偽物じゃない印を、この手で彫った~」(p311)という言葉に胸を突かれました。水滸伝から読んでる読者としては、思わず涙せずにはいられない言葉でした。




楊令伝 十 坡陀の章
集英社
北方 謙三

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