デンデラ(佐藤友哉)

いや~迫力があった!登場するのは70歳を越えた老婆達ばかりだっていうのに、弱弱しさよりも、ずっとずっと強さを感じた。「強さ」と言うより「しぶとさ」かな。

70歳を過ぎると村の掟で山に捨てられるという、なにやら「楢山節考 」を思わせる設定。ただし、”捨てる”村人達は登場しない。捨てられた老婆達が「デンデラ」という集落を作り、そこで厳しい自然と闘いながらも生活している。そこに羆の襲来・・・。

面白かった。たしかに面白くって、先へ先へと読み進めていったんだけどね。でも、面白さの高揚感というよりも、全体を通して感じるのは「殺伐」さ。もうね、清々しさとかそんなのは一切ありません!って断言しちゃえるくらい。70歳から100歳の老婆達が冬には雪に覆われる山で生活してる訳ですからね。飢えや寒さと闘いながら、なんとか生き延びてるっていうそんなデンデラの生活。楽しいわけがない。それでも、生きようとする生命力。いつか、自分たちを捨てた村に復讐するんだと闘志を燃やしつづける気力。どこから湧いてくるんでしょう。ただ、ただ、すごいなーと圧倒された。

特に、羆に襲われた後、羆との死闘を繰り広げるデンデラの老婆達には頭が下がる。羆と闘いながら、集落の中では騙しあい、腹の探り合い、リーダーの交代劇まであって。いやもうね、そのバイタリティというか、そういうものに圧倒されっ放しでした。人間って、ここまで出来ちゃうものなんでしょうか。・・・出来ちゃいそうだよな、と思える自分にビックリしたり。

人間の「しぶとさ」をしみじみと感じた作品でした。



デンデラ
新潮社
佐藤 友哉

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この記事へのコメント

2010年01月16日 00:50
すずなさん、こんばんは(^^)。
何とも迫力のある物語でしたね。
まず、あの冬山の厳しさでは、私は生き残れるとは思いません・・・(^_^;)。
老婆たちの、あの生命力は凄いことですよね~。
とにかく、あの迫力に押されて、ぐいぐいと読んでしまいました。
すずな
2010年01月17日 13:22
>水無月・Rさん
ホント迫力ある物語でしたね~。老婆達の生命力、生への執着に圧倒されっ放しでした。
私もまず生き残れないと思います^^;

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  • 『デンデラ』/佐藤友哉 ○

    Excerpt: あけまして おめでとうございます 今年も、素晴らしい作品に出会って、良い記事(←かなり疑問)をUPできるといいなぁ~と希望しています。 この一年また、お付き合いいただけ.. Weblog: 蒼のほとりで書に溺れ。 racked: 2010-01-16 00:45