純情エレジー(豊島ミホ)

「セックス」をテーマにした短編集。
・・・って書くと、めちゃめちゃ”官能小説”みたいだけど(笑)

忘れられない、忘れたくないという気持ちに、ちょっと切なくなったりするお話が多かったかな。

7編の短編で、そのうちの「あなたを沈める海」と「避行」の2編は、男性と女性それぞれの視点から描かれる対になった作品でした。この2編の構成とか好きだったなぁ。「勝手だよねぇ」な男性と、そうと知りながらも待ちつづける、待つだけの女性。読みながら、ムッとしたりイライラする女性陣も多いかもしれません(笑)私は・・・実はそこまでイライラしなかったんだよなぁ。一歩を踏み出す勇気はない、待ちつづけちゃう気持ちって、なーんか分かるんだよなぁ。。。

「春と光と君に届く」も好き。でもこれは、かなりやるせないお話でもあった。ちょっと!豊島さんてば、そこまで・・・と思っちゃいますね。あと、男の子のサガに苦笑したのは「十七歳スイッチ」。こんな色気のある女性に、私は絶対になれないだろうなぁと、これまた違う意味で苦笑したのは「指で習う」。

あら、ほぼ半分の作品になっちゃった。どれも、それなりに印象的だったってことかな。

どの主人公にも共通しているのは、現実感のなさでしょうか。「しっかりと両足を地面につけて生活している」という印象を全く受けない。ふわふわと掴みどころの無い人々。そういう人々のお話。ある意味、リアリティをあまり感じられず夢物語を読んでいるような感じでもありました。豊島さんらしいというのかな。



純情エレジー
新潮社
豊島 ミホ

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