たまごを持つように(まはら三桃)

お!おぉーっ!と心の中で雄たけびを上げながら読みました(笑)とっても面白かった!図書館でフト目にして手に取ったんですが、予想以上に良かった。大当たり。

弓道部の中学生が主人公。不器用な早弥。天才肌の実良。黒人の父を持つ少年、春。3人の中学生達の弓道を通じてぶつかり合いながらも、お互いを認め合って成長していく姿が描かれる。もうね、後半は涙でうるうるっとなりながら読んだ。でも、なんで涙が止まらないのか分からないの。分からないけど涙が溢れてきて・・・。一生懸命で、まっすぐで。そんな中学生達の姿に感動したのか。それとも、そんな気持ちが自分には欠けてるってことに気付いちゃったからなのか・・・。

「握卵」という言葉が印象的でした。卵を持つように矢を持つ。そぉっと。でも、しっかりと。どこかに力が入りすぎると、握り締めた卵は割れてしまう。そんな持ち方だと、当然のように矢も飛ばない。バランスが大事。中学生の不安定な心も同じで、どこかにちょっと力が入ると、とたんにヒビ割れてしまう。壊れやすい心を抱えた少年少女たち。

そんな脆い心に、焦り、もがきながらも、まっすぐに前を見詰めて、一歩、一歩と進んでいく彼ら。不器用でも、人よりも長く進めばいつかは追いつける。大事なのは途中で諦めない事。そうすると、苦手な正座も克服できる、飛ばなかった、中らなかった矢も、真っ直ぐに飛んで中るようになる、酷いスランプからも抜け出せる。弓道に対する真摯な気持ちとひたむきな姿に胸を突かれました。そしてそれは、とっても清々しく、とっても気持ちが良いっ!

中学生達を見守る大人達の優しい目線も良かった。坂口先生に澤田先生にダディ。最初は頼りないのかと思っていた澤田先生は、やっぱり「先生」だったし(笑)みんなが、”たまごを持つように”そっと中学生達を見守り、導いていく。や~これも気持ちが良い。

そして、弓道の静謐で凛とした雰囲気。自分はやっぱり日本人だな~と思うのは、こういう「武道」というものの経験はなくても、その雰囲気を感じ取れることですね。そして、その雰囲気を「気持ち良いな~」と、好ましく感じていることも。もちろん、実際に体験したものとは違うとは思うんだけど・・・。

とっても清々しく、胸がぐっと熱くなる物語でした。・・・何度も同じ言葉を繰り返してるような気もするけど(笑)とにかく良かった!





たまごを持つように
講談社
まはら 三桃

Amazonアソシエイト by ウェブリブログ


この記事へのコメント

この記事へのトラックバック