プリンセス・トヨトミ(万城目学)

じ~んわりと心に沁みた。
万城目作品らしく、ぶはぶはと大笑いする事は無かったけれど、うっかり涙してしまった。

京都、奈良ときて、今度は大阪です!いやいやぁ、万城目さんてば!今作でもやってくれましたねぇ~。それにしても、だんだんとスケールが大きくなってきてると思うのは気のせいですか(笑)なんたって、今回は大阪人ほぼ全員を巻き込んだ”大事件”ですからねぇ。前作と共通するのは、市井の人々の間で連綿と密かに受け継がれているモノということ。それを先達から受け取って次代へと渡してくというのは、簡単そうで本当はとっても難しい。その難しさを、そして、受け継いでいく大切さを、万城目ワールドで見事に描いた作品でした。おまけに、ファンタジーだと思いつつも、実は本当にそれらは実在するのではないか!?と、ついつい思えてしまうという、みょーなリアルさ。うータマラン。

ぶはぶは大笑いすることはなかったけれど、あいかわらず遊び心は満載でして。特に登場人物の名前が素晴らしい(笑)歴史モノ大好きな人にとっては、名前だけで喜んじゃうんじゃないでしょうか。ある意味、それがネタバレ気味になっちゃいますけども。(と、一応警告なんぞを)大阪は真田に蜂須賀に長宗我部などなど。そして、東京は松平に鳥居に旭!旭ですよ!職場で「プリンセス」と呼ばれてるという女性ですよ!くぅーーっ、こんなところにおおっぴらにネタバレというか伏線が張ってあったってのに、「おやおや。」とニヤリとしつつ最後までピンとこなかった自分がめっちゃ悔しいっ!そしてそして、ヒロインの名前が橋場茶子!もうねぇ、「王女」って誰だろう?なんて、悩む必要は皆無ですよね(笑)

名前にはニヤリとさせられましたが、結構、真面目路線でして。まぁ、ぶっ飛んだ設定ではあったけども(笑)なので、読みながら「あれ~?なんか、万城目さんなのに大人しめねぇ・・・。」と思ってました。暴力の場面とか飛ばし読みしたくなったりもして。それでも、目が離せないっていうか、先が気になって逸りながらの読書ではあったんだけどね。大阪城の仕掛けが分かった後からは、もうぐんぐんと加速する物語に必死でついていくって感じでして。笑いがないとか、気にならなくなって夢中で読んだ。それでも、ちょっと「ぶは。」と肩の力が抜けるところはあったけど。大型コンピューターの用途って、そ、それかよ~!とか。スケールが大きいのか小さいのか分からない(笑)

そして、最後は涙。父から息子へ。母から娘へ。「モノ」を伝えながら、実は「思い」を伝えている。伝える親と、受け取る子供。その「思い」に胸を突かれました。そして、男と女。ま、しょうがないですね。全ての男は女から生れてるんだからね(笑)

ということで、今度は「大阪に行きたーいっ!大阪城に行きたーーーいっ!」となった単純な私でありました(笑)



*****
ラスト付近から、頭の中をグルグルと回ってた曲がありまして。我慢できずに、思わずCDを引っ張り出して聞いちゃいましたよーぅ。作品と被るのは最初のフレーズだけなんだけどね。

Woman いつも その手のひらの上で
男は夢を追いかけてるだけさ

 ~「恋人の歌がきこえる」作詞:高見澤俊彦~




プリンセス・トヨトミ
文藝春秋
万城目 学

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この記事へのコメント

2009年04月27日 01:15
私は大阪国際女子マラソンのCDを取り出して聞いてしまったですよ……。
♪きみのはいひーるれじすたんす~とか。

私は、この本、好きだなぁ。
あの人出るかな? あ、出た出た。この人もかーっ!みたいな、登場人物の名前を追いかけるのも楽しかったですが、物語そのものが上質でした。後半だけ、何度も読み返してしまいました。
ではでは、年末の大阪城でお会いしましょう♪
すずな
2009年04月28日 05:23
>香桑さん
なるほど。たしかに聞きたくなるなぁ☆なんたって大阪城だもんね~(^.^)

私も好きー。
登場人物の名前がいちいちツボ☆だったねぇ。それ以上に、物語の方も楽しかった。最初は乗り切れなかったんだけど、徐々に加速していく感じで、最後は貪るように読みました。

・・・む。何気にスゴイお誘いが(笑)
年末はほとんど「仕事納め」後になるので、大阪城内部に入れないんだよね;;;だから行くなら暖かい時期かな。あ、今年はナシ!と、先手を打っておく(笑)
エビノート
2009年06月02日 20:35
実在のものとは思ってなかった会計検査院が実在すると知って、もしかしたらこの作品で描かれた大阪の姿って本当なのかも?って、私も思っちゃいました。大阪に行ったら、キョロキョロしたり、地元の人に根掘り葉掘り聞いちゃいそうです(笑)
すずな
2009年06月04日 04:51
>エビノートさん
「フィクション、これはフィクション!」と言い聞かせなければ、本当に大阪城の下に・・・と信じちゃいそうでした~(笑)なんか、微妙にリアルなところがすごいですね☆
2009年06月24日 11:52
まさかねぇ、大阪城の下に…
よく考え付きますね。
でも、大阪だったら「あり」かとも思ってしまう(笑
つぎ、大阪へ行ったときには大阪城へ行ってみたいと思います!
2009年06月27日 00:07
こんばんわ。TBさせていただきました。
面白かったですね~。
京都、奈良と来て大阪はこうきたのか~と思いました。
前半は硬い感じでしたが、後半は一気にきましたね~
本当にありそうで、何だか夢がもてますよね。
私も今度、大阪城を観たら、マキメさんを思い出すと思います。

すみません、変なTBを送ってしまったので、消去してください^^;
すずな
2009年06月28日 11:00
>じゅずじさん
本当に万城目さんてば、よく考え付くな~と思いますよねぇ。突飛だとは思いつつも、ホントかも!?と思わせるリアリティがありましたね~。大阪城、行ってみたくなりますね(笑)

>苗坊さん
京都、奈良に引けを取らないくらい、大阪も面白かったですね!特に後半は一気に読んでしまいました。
本当にありそうな、びみょーなリアリティにドキドキしちゃいました☆

TBの件は了解です~。
2011年10月27日 22:27
すずなさん こんばんは
僕にとっては初めての万城目作品でした。
面白かった、ぜひ他の作品も、
近々にチャレンジします!
すずな
2011年10月28日 12:41
>yoriさん
初万城目作品だったんですね。他作品も面白いので是非、チャレンジしてみてくださいねー!
2012年10月09日 17:52
すずなさん、こんばんは(^^)。
読みながら、大阪の詳細地図を出してきて「空堀商店街」とか大阪城や府警の位置を確認したりしてしまいました。
空堀商店街は、そのうちウロウロしに行こうかと思ってます(笑)。
私も、「五億の使い道、ソレかよ…」と脱力しました(笑)。
ラストの旭の話には、ニヤリとさせられましたね。
大阪のおばちゃんの強さの秘密は、ここにあるのかもしれません(笑)。

すずな
2012年10月10日 12:48
>水無月・Rさん
確かに地図を眺めながらだと、色々と想像しやすくってより楽しめそうですね~。空堀商店街をウロウロ…なんて、私もやってみたいです~(笑)是非、レポートをお願いしますm(__)m
そうそう!5億の使い道は脱力でしたよね(笑)まぁ、必要と言われれば必要なんでしょうけど^^;
旭にはヤラレタ~!でした。途中で気付かなかった自分が悔しいです。。。

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