ハブテトル ハブテトラン(中島京子)

タイトルの言葉は備後弁なんだそう。表紙の「自転車で海沿いを疾走する男の子」のイラストもあって、なにかの「呪文」かと思いました~(笑)表紙折り返し部分に説明が載ってました。

『「ハブテトル」とは備後弁で 「すねている、むくれている」という意味。「ハブテトラン」は否定形。』

うん、良かった!読んでる間中、とっても楽しかった。自然と笑いがこみ上げてくるような物語でした。

小学校5年生の大輔が東京の学校からやってきたのは、母親の実家がある広島県福山市松永。学級崩壊などで学校に通えなくなった大輔が、2学期をここで過ごす事になった。大輔の目線で描かれる松永の風景。備後弁の魅力に溢れ、小学校5年生の男の子の成長が爽やかに、優しい目線で語られる物語。

備後弁って全く分からないので、大輔と一緒になって???の連続でした(笑)特に何度も何度も繰り返される大輔の「ゲタリン?」はツボ。私も大輔と一緒に「ゲタリン?」となりながら、誰も説明してくれない様子に、ぶぶぶぶっと笑いがこみ上げてきて、もう止まらなくなっちゃいましたよー。誰か教えてくれーっ、と叫び出したくなった。

大輔はもちろんですが、大輔を取り巻く人々がまた魅力的で、個性溢れる人たちばかり。おじいちゃん、おばあちゃんに、担任の魔女先生。そして、何と言ってもハセガワさんですよ!恐そうでマイペースなハセガワさんだけど、大輔を決して子ども扱いしない。きちんと、一人の人間として対峙してくれるところが素敵ですね。でも、大人として子供を守るべきところは守る。そんなハセガワさんを見ていると、自分はどうだろう?と、ついつい省みたりもしました。

作品の中で描かれる松永の様子。ゲタリンやだんじりに、めちゃめちゃ美味しそうなプリントップ!どれもが、素敵に活き活きと描かれていて、子供たちと一緒に私もワクワク~♪と楽しんじゃいました。

その中でも特に印象的だったのは、やっぱり表紙にも描かれている今治まで自転車で疾走する大輔。本当に大変だったけど、知り合った大人たちの優しさや、大輔の頑張りに読んでてとっても熱くなったし、それ以上に清々しい気持ちになれました。

松永で過ごした2学期で、元気を貰ってちょっと大人になった大輔。3学期から東京の小学校でどんな日々を送る事になるのか。心配しつつも、大輔なら大丈夫!とエールを送りながら読了。なんだか、私自身も元気を貰ったような気がする。素敵な物語でした。



ハブテトル ハブテトラン
ポプラ社
中島 京子

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この記事へのコメント

2009年04月25日 22:49
すずなさん、こんばんは(^^)。
小5男子、いいですよねぇ~!
実に面白くて、爽快な物語でした。
大人がみんな、よく子供達を見ている。余計な手出しはしないけど。そう言うのも、いい感じでした。
ちなみに、備後弁は結構すごいです(笑)。
すずな@主
2009年04月26日 13:56
>水無月・Rさん
良かったですね~!とっても楽しい読書が出きました。おっしゃる通り、子供を見守る大人の距離感がとっても良かったですね。
備後弁、作品を読んだだけでもすごいというのが分かりました~(笑)

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  • 『ハブテトル ハブテトラン』/中島京子 ◎

    Excerpt: ~~「ねえ、星野君。ハブテルは、標準語じゃろ?」~~ (本文より引用) ――― 違います(笑)。 いやぁ~、珍しく「少年モノ」読みました。実に爽快。 小学5年男子って、こんなに楽しくて、いろんな.. Weblog: 蒼のほとりで書に溺れ。 racked: 2009-04-25 22:42
  • ハブテトル ハブテトラン 〔中島 京子〕

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