鬼の跫音(道尾秀介)

ホラーであり、ミステリでもある6編の短編集。

6編どれもが人間の狂気に満ち溢れ、読み進めるのに躊躇しつつも、読むのを止められない。そんな作品ばかりでした。ぞわぞわと鳥肌が立ち、ゆらゆらとした不安定さに居心地の悪さを感じる。そして、極めつけのラスト。げげげっ、そうきたかーっ!と、くぅーっ、やられたぁーっ!と、思わず声が漏れてしまう。そっちかっ!と突っ込みたくなるくらい、どんでん返しの展開に唸らされました。悔しいけど、嬉しい、そんな感じ。

一番好きだったのは「冬の鬼」かな。日記形式なんだけど、過去へ過去へと時を遡っていく構成。これが効いてましたねぇ。最後の(というか最初の日付の)日記を読んで、げ;;;というか、ぎゃぁぁーっと本を投げ捨てたくなったよーぅ。あのダルマにはそういう意味があったのか・・・と思ったら、また最初のページから読み直したくなって、しっかり読み直してしまった。ちょっと気持ち悪い。気持ち悪いけど、こういうの好きなんだよなぁ(笑)

あと、最初の衝撃が効いたのか1編目の「鈴虫」もなかなか印象的。最後に明かされた真実にびっくりでした。すっかり騙された;;;そして「ケモノ(カタカナではなく”けものへん”)」も好きというかなんというか・・・。じわじわと少年の狂気に囚われて、気付くとすっかり絡め取られてしまったような、そんな印象。

逆に「よいぎつね」は、私的にはイマイチだったかなぁ。なにがどうとは言えないんだけど、うーーん;;;という感じでした。



鬼の跫音
角川グループパブリッシング
道尾 秀介

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この記事へのコメント

べる
2009年03月29日 23:59
すずなさん、こんばんは。どれも、道尾さんらしい小技が光っていて読ませる作品でしたね。初期作品を彷彿とさせるホラーテイストが効いていて、かなり好みの短編集でした。私も『ケモノ』『冬の鬼』が気に入りました。フォントも雰囲気に合っていて良かったです(読みにくいという人もいるみたいですが^^;)。
すずな@主
2009年04月05日 08:03
>べるさん
遅くなりましたm(__)m
あ!?というラストに驚かされっぱなしでした^^;ホラーテイストが効いているところが、私も好きでした~♪「ケモノ」(たしかに読みにくいですね;;;)「冬の鬼」はゾクゾクしましたね~。
2009年04月06日 20:06
短い話だけど、最後こう持ってくるのか!と驚きがありましたね。表紙も怖いけど中身もなかなか怖くって、ぞぞっとしちゃいましたけど、面白かったです。
「冬の鬼」は私も読み返しました。最初から読み返したり、最後から最初に戻ったり♪
すずな@主
2009年04月11日 04:27
>エビノートさん
どのお話も最後に驚かされましたね~。表紙のインパクトもなかなかでしたけど、中身も負けていないのが凄かったというか、恐かったですよねぇ;;;おっしゃるとおり、面白かったんですけどね^^;
「冬の鬼」は、げ;;;と思いつつ、つい読み返しちゃいますよね。

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