草祭(恒川光太郎)

「美奥」という土地を舞台にした連作短編集。

堪能。
ファンタジーようなホラー。ホラーのようなファンタジー。まさに恒川ワールド全開!という作品でした。なんとも妖しく懐かしい、切なく優しい。そして、怖い。

「美奥」で起こった事件、「美奥」で出会った不思議な出来事や人、そして「美奥」の成り立ちなどなど。いろんな時代の美奥が描かれていて、「美奥」という土地を5つの短編で描ききったという感じです。私の頭の中にも、少しずつ「美奥」が出来上がり、いつしかその「美奥」の住民になっているような・・・不思議な気持ちになりました。それは、嬉しいような、恐いような。

どの短編も時代が違っているので、独立しているようですが、少しずつリンクされている。人物だったり、モノだったり。ここで繋がるのか!そういうことか!え?あの人とこの人はそういう関係なのかっ!?と、見つける度に、驚いたり、納得したり、ちょっと嬉しくなったりで、そのリンクを見つけるのも楽しかった。

読み終わった後も、しばし呆然というかふわふわと落ち着かず、「美奥」に囚われたまま・・・。つい、何度も何度も本を手に取っては、ちらちらと拾い読み。どっぷりと余韻に浸ってしまいました。そこでまたリンクを見つけちゃって、ちょびっと興奮したり(笑)いや、だって。1作目の会話で登場した「カナエ先生」。最初に読んだ時にはさらりと流してたんだけど、再読では流せない。「おぅ!」と思わず呟いてしまったくらい、ピースがカチリとハマったような喜びを感じました。まだまだ私の気付いてないリンクがありそうで、何度も読み返したいというループに陥りました。う~ん。これは本屋さんに走るべきかなぁ・・・と思ったりもして。

はぁ、堪能したなぁ。。。



草祭
新潮社
恒川 光太郎

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この記事へのコメント

べる
2009年01月14日 01:15
わーい。私の感じたことそのままです^^ほんとに素敵な恒川ワールドで堪能しました~。あれ、リンクってそんなに細かくありました?ああ、もう一度おさらいしたい~^^;;カナエ先生って誰でしたっけ・・・(オイ!!)^^;;ところですずなさん、タイトルがどこから来たのかわかりました?私はそこが一番謎だったんですけど^^;
すずな@主
2009年01月15日 11:27
>べるさん
恒川ワールドを堪能しなぁ~としみじみ思っちゃうような1冊でしたね~。
カナエ先生は1話目でお母さんに置き去りにされた彼の保母さんで、家に連れ帰ってくれた人。で、最後のお話の主人公と同一人物だと・・・たぶん^^;
タイトルは、私もよくわかりません;;;謎ですねぇ・・・。
2009年02月03日 23:06
すずなさん、こんばんは(^^)。
何というか、スゴかったですね「美奥」という土地の吸引力が。
恒川ワールド全開で、私も堪能いたしました。
ホントに、素晴らしかったです。

タイトルの『草祭』は、テンが春の村〈祭〉りの日に、幻の薬〈草〉「オロチバナ」から作った「クサナギ」で、春沢の里を壊滅させたというところから来てるのかな~と勝手に思ってたんですが、いかがなものでしょうか?全ての発端はここにあったわけですし・・・。
すずな@主
2009年02月05日 13:36
>水無月・Rさん
本当にスゴかったですね~!
まさに「堪能」という言葉がぴったりの作品でした。

タイトルの意味には、「は~なるほど!」と思いました。なんだかビンゴのような気がしますねぇ。ありがとうございます!
たまねぎ
2009年02月16日 00:46
オー!かなえ先生!!。言われて気付きました。なるほど、それならあそこで発見して何も問わず送っていったのも頷けます。そうですよね。先生は実は何もかも知っていたと。
すずな@主
2009年02月19日 13:10
>たまねぎさん
”かなえ先生”繋がりを発見した時には、思わず私も「オー!」とたまねぎさんと同じように歓声をあげました(笑)彼女はなかなか重要人物ですよね。
猫の寝床
2009年03月25日 21:14
結局佐藤香奈枝さんですか。
後、着物の少年は、しょうた(しょうちゃん)で大丈夫ですよね。
すずな@主
2009年04月05日 07:59
>猫の寝床さん
初めまして。
カナエさんは結構、重要人物でしたね。そして、着物の少年・・・登場したのは憶えてますが、名前まではすでに記憶の彼方に・・・^^;;;すみません。

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