黒百合(多島斗志之)

あ・・・れ?ちょっと拍子抜けというかですね、期待ハズレというか・・・。

この著者の「少年たちのおだやかな日々」を読んで、この作品も読んでみようと思ったんですが、雰囲気が想像してたのとちょっと違いました。思ってたほど、少年期の危うさは感じられず、黒さもグロさも後味の悪さも感じない。さらりとし過ぎてて物足りない・・・という感じ。

夏休みに別荘地で出会った14歳の少年と少女。彼らの淡い恋心と、その合間に挿みこまれる彼らの父親や叔母の若かりし頃の物語。

少年たちの物語は、私の苦手分野である純文学の雰囲気を纏っていて、なんといいますか「ふ~~ん」って感じでして;;;彼ら3人の間で心の葛藤だとか、なんかいざこざがあって・・・とか期待してたんですよね。ぶっちゃけ、誰かが謎の死を遂げて・・・というところまで想像してたので、彼らの間でさほど波風が起こらず、事件も起きなかったのには、ちょっとガッカリといいますか・・・ね。だから何!?と言いたくなるほどではないけど、やっぱりよくワカランワーと思ってしまう。すみません;;;こういうのの良さがイマイチ理解できないのです・・・。

その分、少年たちの物語の間に差し込まれる親世代のお話は、謎めいた女性や殺人も絡んできて、ミステリ色が強かった分、面白かった。殺人の方は、もうまったくミステリではなかったんだけど、ラストは「え?そうくるのか!?」と意外でした。そして、女性の正体が誰なのか・・・あれこれ想像するのも楽しかった。私的にはえぇーっな真相だったのも良かったなぁ。

「文芸とミステリの融合」という謳い文句の作品ですが、私にとっては文芸部分が評価ポイントを下げちゃったような・・・そんな作品となりました。う~ん、残念;;;



黒百合
東京創元社
多島 斗志之

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この記事へのコメント

たまねぎ
2009年01月30日 01:08
過去の部分は想像力を刺激しますよね。あの二人が恋に落ちたのは本当に偶然なのか?。彼女の方から声をかけてきたにしても、その家に対するかつての恨みは無かったのか?等々。そういう意味では、過去の部分をもう少し掘り下げて欲しかったです。
すずな@主
2009年01月30日 13:57
>たまねぎさん
そうそう。過去の部分は色んな謎がそのままだったりで気になる部分も残されてますよねぇ。私も、もうちょっとそこらへんを書き込んで欲しかったなぁ・・・と思います。だからこそ、想像力をかきたてられていいのかもしれませんが^^;

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