モダンタイムス(伊坂幸太郎)

あれ~なんだかなぁ・・・と、そんな気分で読了。うーん、ちょっとインパクトが弱いって言うかですね、物足りないっていうか・・・ね。面白くないって訳ではないんだけどね。楽しめたんだけど、だけど・・・と続けたくなるような。

あとがきで著者も言われてますが、先に読んだ「ゴールデンスランバー」と似てるんですよね。おまけに、そんなに伏線もなかったような気がするし。目新しさがないっていうか、伊坂さんならではの、最後に「おぉーっ!」という驚きがなかったんですよねぇ。期待してただけに、ちょっと残念な読後感でした。むー。

「検索」から巻き込まれる出来事。私も、分からないことがあるとまずは「検索」しちゃうので、すんごい怖いよなぁと思いながら読みました。今だって、こうやって打ってる文章、あっちゃこっちゃで垂れ流してる駄文なんかも、覗かれてないなんて保証はない。特に国家とか大きなものが関わってくると、一個人としては成すすべもないっていうか、対抗しようがないって感じだし。何がタブーなのかも分かんないし、多少の情報操作は今でもされてるんだろうなぁとも思うし。というか、私もそういう大きなものの”部品”になってる可能性も否定できない訳でして・・・。架空小説で片付けられない怖さってものをヒシヒシと感じました。

あと、怖かったって言うか、気持ち悪かったのは拷問シーンですね。もう勘弁してぇ~;;;と思いましたよ。そんなにリアルに描写しないでください;;;って感じでした。だったら、シッカリ読まなければいいんだろうけど、伊坂さんのは何処が伏線になるのか分かんないし・・・という前提があるもんで、飛ばし読みをする勇気はないし(笑)いや~グロかった;;;どうもこういうのは苦手です。

著者が作家の井坂好太郎に言わせた言葉が印象的でした。
『小説ってのは、大勢の人間の背中をわーっと押して、動かすようなものじゃねえんだよ。音楽みてえに、集まったみんなを熱狂させてな、さてそら、みんなで何かをやろうぜ、なんてことはできねぇんだ。役割が違う。小説はな、一人一人の人間の心身体に沁みていくだけだ』~本文より~
そう。小説って、心に、身体に、沁みるんですよね。しんしんと、ひたひたと、じわじわと・・・。伊坂さんの小説に対する想いが伝わる文章でした。

なんだか、ぼんやりと曖昧な結末で、そこがもどかしくもあり、だからこそ色々な想像が出来て良くもあり。どっちの気持ちも半分ずつあります。一番ぼんやり?してて気になるのは佳代子さんですけどね(笑)一体、彼女はナニモノなんでしょうねぇ。すっごく気になるぞー。


モダンタイムス (Morning NOVELS)
講談社
伊坂 幸太郎

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この記事へのコメント

エビノート
2008年11月21日 21:17
国家とかシステムとか目に見えない巨大な何かのことを考えると、かなり怖いですね~。『魔王』の安藤兄が言ってたように「考えろ考えろ」って、自分で考えろってことなのかもしれないですけど。
伏線、全部回収されてませんでしたよね~。佳代子さんのこともそうだし、安藤家の息子とかも気になります。
べる
2008年11月22日 00:42
『ゴールデン~』と似てましたよね~。でも、あちらほどの徹底したエンターテイメントでもなく、中途半端にメッセージ色が入っているので、すんなり入っていけない所がありました。
何より拷問シーンを読むのがきつかった・・・。あんなにリアルに表現しなくても~^^;佳代子さんは強烈でしたね^^;
すずな@主
2008年11月22日 14:56
>エビノートさん
国家とか言われると想像がつかない分、怖さも倍増ですよね;;;”自分で考えろ”って分かるんですけど、なかなか難しいですよねぇ^^;
そうそう!安藤家の息子はどうなってんでしょう?うわー気になることがまた増えましたよぉ。。。

>べるさん
似てるなぁ~と思いだしたら、なんだかそれが気になっちゃって・・・。で、ゴールデン~の方が面白かったなぁ・・・と^^;
拷問シーンは引きましたねぇ;;;リアルすぎですよね!佳代子さん、気になります。。。
2008年12月17日 23:05
すずなさん、こんばんは(^^)。
ああ~良かった。私と同じように感じた人、結構いるんですね。
この作品は途中経過なのではないでしょうか?
安藤家の留学した息子、このままでは済みそうにない五反田達の反旗、そして岡本が現れ「勇気はあるか?」と渡辺に問いかけたこと。
この終わり方ではちょっとわからなすぎますもんね。佳代子さんの正体も知りたいですし。
すずな@主
2008年12月19日 11:47
>水無月・Rさん
私も、他の方の感想を読んで「あ~私だけじゃなかったんだ・・・」と思いました^^;
途中経過だと思えば、なんだかちょっとモヤモヤが晴れるような・・・(笑)たしかに、中途半端で置き去りにされたモノが多いですよねぇ。その為にも続編を書いてもらいたいです~!
たまねぎ
2008年12月19日 22:27
あの奥さんは何者でしょうね。不倫相手の事とか、goshの仕事を取ってきた社員とか、連載小説ならではの放りっぱなしの伏線が気になって仕方ありません。それこそ検索したくなる位に。
すずな@主
2008年12月22日 10:32
>たまねぎさん
奥さんって何者なんでしょうねぇ。他にも気になることが多いですよね!・・・検索しちゃいたい(笑)
2009年01月21日 09:44
「ゴールデンスランバー」もこの本も、管理社会への警告なんでしょうか!?
世の中がシナリオとおり作られているようで、不気味でした(^^ゞ
すずな@主
2009年01月23日 11:24
>じゅずじさん
この作品も「ゴールデンスランバー」も管理社会への警告のような・・・そんな作品でしたね。
今も、誰かのレールの上を走ってるのかも・・・というのが冗談ではないような気がして、ちょっとドキドキしてしまいますね。。。
2009年04月01日 22:42
こんばんわ。
面白かったですけど、「ゴールデンスランバー」を読んでしまうと、ちょっと物足りなさも感じてしまうかもです。
奥さん、気になりますよね。
でも、浮気さえしないで奥さんを愛し続ければ、結構円満な家庭を築いていけるような気もします。
すずな@主
2009年04月05日 08:25
>苗坊さん
「ゴールデンスランバー」と似てるので、ついつい比べちゃいますよね。そうすると、ちょっと物足りなさを感じてしまいますね;;;
奥さん、気になりますね~。たしかに、浮気をしなければいいんでしょうけど。

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