失はれる物語(乙一)

短編集。

きみが見つける物語 恋愛編』で読んで涙した「しあわせは子猫のかたち」が収録されているというので読んでみた。

切なく、それでいて温かく優しいお話がほとんど。最後の「マリアの指」だけが、なんだかちょっと毛色が違ってたような・・・。好きだったのは、表題作の「失はれる物語」「しあわせは子猫のかたち」かな。面白いと思ったのは「手を握る泥棒の物語」。

・Calling You
切ない。読みながら、「これはもしかして・・・」と危惧してたような展開にちょっとガッカリ。「失望」って意味じゃなくって、ほっこり終わって欲しなーと思ってたから。ラストのオチは全く読めなくって、「おぉっ!」と声を上げそうになった。むー読めなかった自分が、ちょっと悔しい。

・失はれる物語
とっても哀しいラスト。奥さんが主人公の腕の上で演奏する姿を想像すると、堪らなくなります。主人公の周囲の状況が全く分からないってのはシンドイだろうなと思うし、奥さんの気持ちも想像するに難くないし。どちらも辛い。主人公の決断は理解できるし、奥さんの行動?もしょうがないと思うけど、出来るなら・・・と思わずにはいられない。

・傷
これもまた、切ないお話でした。そして、色んな意味で”痛い”お話。特に最後辺りは顔をしかめながらの読書になりました。ただ、ラストにはちょっと救われたかなぁ。

・手を握る泥棒の物語
ちょっと笑えるお話でした。それまでのが切なすぎたので、ちょっとホッとできて良かった。読みながら展開が予測できてしまったんだけどね(笑)予想通りの展開だったけど、それでも思わず指を刺して「マヌケぇー!」と笑いたくなった。ここから素敵なラブストーリーが始まって・・・とか、明るい未来を想像できるのもいいです。

・しあわせは小猫のかたち
これは、上記に書いてる通り既読。やっぱり泣ける。

・マリアの指
私的にイマイチ。実は睡魔に負けそうになりながら必死に読んだ;;;短編集を読むときの悪い癖?で、だんだんと飽きてくるんですよねぇ。ということで、あまり入り込めず、真相にも意外性を感じず、なお話でした。


*****
この作品は単行本で読んだのですが、文庫本にはあと2編追加されて出版されております。文庫を購入した友人が貸してくれたので、読むことが出来ました。ありがとう♪

・ボクの賢いパンツ君
あらまぁ!なんだか可愛いお話でした。思わずニマニマと頬を緩ませながら読みました。小さい頃の”ぬいぐるみ”とかならあるけど、パンツってのが意外性があってユニーク。でも、これは男の子だからこその物語のような気がするなぁ・・・。

・ウソカノ
可愛らしいといえば可愛らしいけど、それよりも切ないというか、苦々しいという気持ちの方が強くなっちゃったかな・・・。高校生ではなく小学生なら可愛いーで終わったんだろうけど・・・。

(2009.01.20追記)



失はれる物語
角川書店
乙一

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この記事へのコメント

2008年11月13日 16:12
どれもこれも、なんか切ない感じなんですよね。
こういう作風はいいなぁ、うまいなぁと思うんですが……。
この表紙や、タイトルページのデザインも好きです。
すずな@主
2008年11月13日 16:56
>あまねちゃん
そう、どれも切ないお話でしたねぇ(;_;)でも、読んでるとだんだん飽きて・・・以下自粛^^;
タイトルページは鏡みたいになってたね!面白いーっと思った。
べる
2008年11月17日 00:55
確かに似た感じの作品が集まってるので食傷気味にはなるかもしれないですね^^;私はラノベで読んでた作品ばかりだったのですが、白乙一を代表するならこの一冊が良いのではと思っています。「暗いところで待ち合わせ」も白系の傑作だと思いますが(既読でしたらすみません)。
すずな@主
2008年11月18日 16:17
>べるさん
いや、短編集を読んでるとだんだんと飽きてくるのは私の悪いクセで;;;
でも、切なく優しいお話で良かったんですよ~。
乙一さん「ZOO」が初読みで、これで3作品目なんです。これからアレコレ読んでみようと思ってるので、オススメいただけるのはとっても嬉しいです♪ありがとうございます!

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    Excerpt:  乙一 2006 角川文庫 印象的なタイトルだが未読だった乙一作品。勧めてくれた Weblog: 香桑の読書室 racked: 2008-11-13 16:05