ビター・ブラッド(雫井脩介)

あれ?あれれれ?と、途中で首を捻った。これって、父子の葛藤を絡めた超ハードボイルド警察小説だと思ってたんですよね。それが、なんだか・・・あれぇ?お父さーん;;;かなり軽いんですけどぉ・・・って感じでして。ぶっ飛んだお父さんに戸惑いまくりでした。でも、何度も笑わせてもらったけどね(笑)

新米刑事の佐原が初めて遭遇した事件は情報屋の転落死。そこで、離れて暮らす父親の捜査一課刑事である島尾とコンビを組むことに。両親の離婚後、母親は蒸発し祖父母に育てられた佐原は父親への反発を感じている。その後、父親の上司である刑事の殺害事件が起こり・・・。

最初の転落死事件が案外あっさり片がついたと思ったら、次の事件と複雑に絡んできて、二転三転する展開。途中でちょっとこんがらがってしまったりも・・・。おまけに事件の方は、新米にもかかわらず佐原がなんだかトントン拍子って感じで重要な人々と出会い、核心に迫り、解決へと導いていく。ちょっとご都合主義のようなあまりの展開に、読んでて戸惑いの方が大きかったんですよねぇ。そんなに上手くいくかっ!と突っ込みを入れたくなったりしました。

実は、都合良く現われた順子はあまりにも胡散臭くって、娘じゃなくって犯人がなりすましてたりとか・・・なんて勘ぐったんですけどね。大ハズレですんなり本人ってことで最後まで・・・。あれ?本当に本人なんだ!真犯人じゃないのかっ!?と、ちょっと肩透かし(笑)まぁ、予想を外されて嬉しくもあったんですけどね。でも、ちょっとがっかりも感じる我侭な読者(笑)

それにしても、島尾のぶっ飛びっぷりがお見事というかなんというか・・・。是非とも「ジャケットプレイ」をナマで見てみたいとか思ったり。でも、あれを反発している息子が素直にやるところが笑えるというかですね。血は争えないって感じなんでしょうか(笑)一生懸命、父親ぶるのに、肝心のところで抜けてる島尾に好感度大でした。逆に、いくら反発してるとはいえ職場では大先輩な訳だからさぁ、佐原の父親島尾へのタメ口はどうよ?な気分でして。特に警察なんて縦社会なのに、それで通るところに違和感を感じてしまったりもしました。

重厚な警察小説を期待してたので、そっちの方はがっかりで残念でしたが、登場人物達の軽さとか笑いもあって、それなりに面白く読めたかなと思います。



ビター・ブラッド
幻冬舎
雫井 脩介

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この記事へのコメント

2008年10月17日 17:49
まぁ、はっきり言って、ぶっとび親父に笑わせてもらいました。
たまねぎ
2008年10月18日 00:28
この表紙とタイトルじゃ、どうしたって重いの方を期待するってもんですよね。強いて言えば、ピンクがかった紫が、親父の軽薄さに合ってるとも言えなくはないのですが。
すずな@主
2008年10月18日 14:59
>じゅずじさん
その通り!あのお父さんには何度も爆笑させられましたね~(^^)

>たまねぎさん
ですよねぇーっ!
まぁ、たしかに表紙の紫は・・・雰囲気を出してるような気がしないでもないような・・・うーん^^;;;
2008年10月18日 22:02
このお父さんにはまた再登場していただきたいわ~と思うくらい、最後には読んでて楽しくなっちゃいました。ジャケット・プレイは実際に見てみたいですね~。
すずな@主
2008年10月20日 16:38
>エビノートさん
私もまたお会いしたいっ!
シリアスな場面を一気に笑える場面に変えちゃう楽しいお父さんでしたねぇ。ジャケットプレイ、生で見てみたいですね~。

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