東京島(桐野夏生)

桐野さんの本は、読むのにすっごく気力を使うので、ここ最近はちょっと読んでなかったんですよね。ところが、新聞でこの本の広告を見かけてしまって、「お、面白そうだなー」なんて興味を持っちゃって。で、うっかり図書館のHPの新刊書籍で見つけちゃって、ついつい予約ボタンを押しちゃったんですねぇ。まぁ、面白そうだったんで、「いっか。久しぶりだし。」と思って読んだんですが、やっぱりグッタリ疲れちゃいました。

あいかわらず、”女性”という生物を容赦なく剥き出しにして描くよなぁ・・・と、しみじみと思いました。自分の中にも、そういう部分があるのかと思うと、ちょっと異生物を見るような気持ちになりますが、無いとは言い切れないところをみると、私にもあるんだろうと思われる。うわー、そういう部分はあんまり感じたくないよなぁ;;;

無人島に漂着した1人の女と31人の男。助けに来るものは無く、5年目を迎えた無人島生活。人々はその島を「トウキョウ島」と呼び、いつ終わるとも知れない生活を送っている。一人だけの特権をフルに発揮して、島の生活を送る唯一の女性である清子。彼女が島に流れ着いた中国人たちと逃亡を企てたことから、それまでのバランスが崩れていく。そして、清子の妊娠。

・・・まさに桐野ワールド。女の生命力の強さ、生きることへの貪欲さを、まざまざと見せつけられたような気がします。とにかく、何をしてでも生き延びるんだという執念は凄まじいものがある。妊娠も、生命を宿したという喜びを感じるのではなく、生き残る手段として活用するぞというしたたかさ。良くも悪くも”女は強し”。

ずっと清子の語りで綴られるのかと思っていたら、幾人かの島民もポツポツと語りだす。視点が変わるのもいいと思うけれど、なんだかちょっと違和感というか、なんというか・・・。ここはバッサリと他を切り捨てて、ずっと清子視点で描いたものを読みたかったなぁ、とも思ったり。

最後は、意外といえば意外な結末。そうくるのか!?とちょっとビックリした。でも、あ~桐野さんだなぁとも思える結末ではありました。



東京島
新潮社
桐野 夏生

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この記事へのコメント

2008年12月14日 19:21
こんばんは。
私も久々の桐野作品で、ぐったり疲れました~(^_^;)
何が何でも生き延びるという清子と、島の生活で徐々に狂っていく男たちの様子が対照的でしたね。母は強し、女は強しなのかなぁ。あんまり清子をお手本にしたくはないけれど(苦笑)
すずな@主
2008年12月15日 15:19
>エビノートさん
桐野作品、久しぶりに読むと疲れましたね^^;
生に対する執着が男女で対照的で、でも、清子の言動がなんだか分るな~と思ってしまうあたり、私も女性なのかな、と思いました。同じくあんまりお手本にはしたくないんですけど(笑)

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