鼓笛隊の襲来(三崎亜記)

第139回直木賞候補作。表題作を含む9編の短編集。

うーーん;;;やっぱり短編集は苦手・・・なのかな、というのを再認識しながら読みました。直木賞候補作ということで、期待が大きすぎたのかもしれませんが、これが候補作かぁ・・・な気分。

短篇それぞれについて語ろうと思うと、どれもが三崎さんらしい独特の視点や発想に思わず唸っちゃうし、最後はじーんとしたり、ほんわかとしたものが胸に残るんですよね。それを「鼓笛隊の襲来」という1冊の本として語ろうと思うと、”いま一歩・・・”という物足りなさを、どうしても感じてしまう。ただ単に、私の好み、短編が苦手で長編の方が好きってことだけなんだろうと思いますが・・・。だって、ひとつひとつのお話はとっても楽しめたんですもん。それなのに、1冊を読了してパタンと閉じた途端に思ったのは「長編だったらなぁ・・・」だったんですよねぇ。でも、どのお話も長編にしちゃうと、冗長気味になっちゃうような気もするし・・・。

台風や2重人格を鼓笛隊や覆面に擬えたり、遠距離恋愛や欠陥住宅を思いもよらない”遠距離”や”欠陥”にしちゃったり、すべり台を本物の象さんにしちゃったりという、その発想がたまらない。なるほどー!と頷いたり、そうきたかーっ!とのけ反ったり、意表を付く現実からちょっとだけズレた世界に、新しいお話を読み始める度に「今度はどんな世界かな?」とワクワクさせられました。

ただ、表題作の「鼓笛隊の襲来」は、他の短編に比べてそんなに楽しめなかったんですよねぇ。発想は面白いとは思うんですが、タイトルになるほどではないような気が・・・。好きだったのは「象さんすべり台のある街」「遠距離・恋愛」「同じ夜空を見上げて」かな。





鼓笛隊の襲来
光文社
三崎亜記

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この記事へのコメント

2008年08月04日 14:52
私は三崎さんの場合は長編の方が好みです。作品数がまだ少ないってのもありますが『失われた町』が一番好きなので。
なのでこれから描かれるであろう大きな作品の習作を見るような感じで読んでました。
すずな@主
2008年08月05日 11:45
>たまねぎさん
私も長編の方が好きです~。
今後、この短編の世界を膨らませて、おぉっ!と唸るような長編を描いて欲しいですね~。
2008年08月06日 19:49
次はどんな設定がくるのかな?って、読んでいてワクワクしちゃいましたね。台風や遠距離恋愛とか身近なものが、三崎さんにかかるとこんなにも不可思議な話になっちゃうんだ~と、唸ってしまいました。
すずな@主
2008年08月08日 10:40
>エビノートさん
思いもかけない設定に、ワクワクと楽しませてもらいましたね~♪
一度、三崎さんの頭の中を覗いてみたい衝動に駆られました(笑)
2008年09月16日 21:11
二重人格に覆面をかぶせたり、ほんもののぞうさんを滑り台にしたりとその発想がとても気にいりました。
すずな@主
2008年09月18日 13:40
>花さん
三崎さんの発想の豊かさ、着眼点のユニークさにいつも楽しませてもらえますよね。
次は、どんな世界を見せてもらえるのかとワクワクしちゃいます♪

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