風流時圭男(竹内清人)

想像してた内容とは違ってたけど、とっても面白かった!夢中で読んだ。

病に倒れた父親に頼まれ、父が営む時計店の東京本店から名古屋の倉庫へ大切な時計を届ける主人公。その倉庫の中で曾祖父の幽霊に出逢う。そこから、明治~昭和を駆け抜けた曾祖父の物語が繰り広げられていく・・・。

関東大震災や戦争を逞しく潜り抜け、激動の時代を駆け抜けた男の人情味溢れる物語。それにファンタジー要素が絡まって、ますます魅力的な物語となっていました。ファンタジー要素を作っているのが”蛙”ってのが笑えるけど。

明治から昭和というのは、大変な時代でありながら、だからこそ、面白い時代でもあったんだなぁ・・・と、そんなことを思いました。もちろん、本当に苦労も絶えなかっただろうし、生活も楽ではなかったんだとは思うけれど。飛行機を使って空からチラシを配布したり、象の宣伝隊でパレードしたりと、曾祖父のはちゃめちゃ振りも楽しませてもらいました。でも、一本筋が通っているというか、ぶれないものがある。ずるいことはやらないし、真正面からぶつかっていくような清々しさも感じられて、読んでてとっても楽しかった。ワクワクさせられました。

他の登場人物たちも、それぞれがキラキラと輝いていて魅力的!曾祖父が知り合った落語家さんが登場して、なんだか記憶に残っている落語も出てきたりもして。ひゃーっ、ここにも落語が!とテンションが上がりました。曾祖母も、あの時代の人にしてはかーなーりー大胆な女性だなーとビックリしました。こういう人、すっごく好きだけど(笑)そして、なんだかんだ言いながらも、やっぱり家族ってこういうものなんだよなと、絆のようなものも感じたり。

曾祖父の波乱万丈な人生の物語も良かったけれど、主人公と曾祖父(本当はこっちが主人公?/笑)の交流も良かったですね~。急な父の病によって、オカリナ奏者としての道をどうするか、家業を継ぐべきなのか、大切な女性を諦めなきゃいけないのか、選択を迫られている主人公に、何かを捨てなくてもいいじゃないか、全部抱えたっていいじゃないか、抱えられるよ、という曾祖父のメッセージ。暖かく優しくツーンときました。

最後のあとがきで、この作品の種明かしがしてありました。この作品には「堀田時計店(現:株式会社ホッタ)」と「堀田八二朗(本名:六造)」というモデルになった会社と人物がいらっしゃるんだそう。へぇ、ほー、実在する会社だったのかぁ。あ?えぇーっ!実在の人物なのっ!?それはびっくり(笑)検索したら、本当に空から蒔いたチラシとか象のパレードの様子を写した写真が見れました。凄い。ちなみに、主人公の青年も現在の社長さんがモデルになっていて、オカリナ奏者としても活躍されてる方なんだそうです。またまたビックリ!九州の福岡(博多リバレインだって!)にもこの会社のロレックス専門店があるそう。今度、行ったときにチラっと覗いてみようかなぁ・・・(笑)



風流時圭男
幻冬舎メディアコンサルティング
竹内 清人

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