カウントダウンノベルズ(豊島ミホ)

とある週のJ-POPランキングでトップ10にチャートインしたミュージシャン達を描いた10編の短編集。

こういうのって、普通は10位からになりそうなのに、1位から描いてあるところが新鮮だった。1位の歌姫から10位の新人男性シンガーまでが、現実の誰かさんをモデルにしているようで、「あ、これは彼女」「おーあのアイドルグループか!」「あ~あの娘ね~」「あ、もしやあのグループ?」「・・・ま、ままままさかねぇ;;;」などなど、あれこれ想像しては、内幕をこっそり教えてもらえたような”お得感”みたいなものを味わえました(笑)

・・・と言っても、そこは豊島さんなので、どのお話も”幸せ全開!良かったねぇ~”で終わる筈もなく。トップを走り続ける辛さや孤独、追い上げるものの焦燥、アイドルでいることの苦しみ、アーティストとしてのサガ、生み続けなければならないシンドさ、解散を迫られたバンドの悲哀、時代に取り残される変われないグループと、どれもこれもが、心臓をきゅっと掴まれたような息苦しさを感じる、ほろ苦く、切なく、やるせない物語ばかりでした。こういうお話を書かせると、豊島さんって本当に上手いですねぇ。

ランキングトップ10のミュージシャンを描くということで、十人十色のお話になっているのは良かったんですが、どのお話も同じようにずんずんと胸に響いてくるという訳ではなかったんですよね。途中で息切れしちゃったような印象で、もうちょっと深く描けないかな・・・と思えるお話もいくつかありました。なので、読み終わった後にちょっと物足りなさを感じてしまったり。この設定自体は面白かっただけに、そこがちょっと残念。


カウントダウンノベルズ

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