空の中【文庫版】(有川浩)

このお話は、有川作品なのに珍しく一度も再読してない作品だったりします。だって、とっても痛いんですもん。日和ろうとした”あの時”を思い出しちゃうんですよね。傷口をぐりぐりっとされてるようで、再読する勇気がなかなか出なかったのです。文庫化にあたり、書下ろし短編なんてもんがついちゃってるもんだから、それなら本編から読まねばなぁ・・・と、ようやく再読。

もうね、やっぱり今回も宮じいに泣かされました。厳しい言葉であったりもするのに、その言葉から溢れ出る優しさ、温かさにヤラレまくり。癒されまくりでした。

単行本を読んだ時には、大人のカップルへの比重が大きかったような気がしますが、今回は高校生カップルへの比重が大きかったかな。子供は間違うもんなんだよ。間違ったら「ごめんなさい」でいいんだよーっ!と、心の内で叫んでいました。もちろん、どんな間違いでもいいのかというと、そういう訳ではないのだけれど・・・。そして、子供が間違った時、間違いを悟った時、キチンと諭せる、全てを包み込める大人になりたいものだと、しみじみと思いました。

それから、宮じいが言ったように、間違った時、「間違ったなー」と言える強さを持てるように。「間違ったんだ」ということを、ずっと抱えていける強さを持てるように。そうなるには、まだまだなワタシ。そうなれるように努力をしようと、改めて誓いました。

単行本から加筆・修正がなされているそうなんですが、私はワカリマセンでした;;;どこら辺が違っていたのでしょうか・・・。他力本願ですみません;;;
ただ、ちょっと印象が変わったといえば、高己とディックのやりとりの場面。最初に読んだ時は、ちょっと冗長さみたいなものを感じてしまって、実を言うとちょいと端折って読んだ部分もあったような気がするんですが、今回はそれがなかった。なんだかスッキリとした印象があったんですが・・・。なので、しっかりきっちり一言一句飛ばさずに読んだ。(←当たり前;;;)そこら辺が変わってたのかな。それとも、私の読み方というか読む姿勢が違ってたのかな・・・。


***ネタバレ注意!***
書下ろし短編については、容赦なくネタバレになっております。
未読の方は、先に短編の方をお読みになることをオススメします!



・特別書き下ろし『仁淀の神様』
どんなお話なんだろう?とワクワクしながら待っていました。もうね、さすが有川さん!今回も私のツボを押さえてくれました。これだよ。これこれ!これが読みたかったんだよーっ、というお話でした。ただ、ちょっと予想外の展開もあって、溢れ出る涙を抑えきれないお話でもありました。

高校生カップルと宮じいのその後のお話。
高校生カップルには、本当にホッとした。まぁ、こうなるだろうとは想像できましたが、想像通りの未来で大満足。そして、宮じい。とうとう仁淀の神様になってしまったんですね。本当に哀しいけれど、でも、みんなに見守られての温かい最期でした。ぐしぐしと涙が止まらなかったけれど、ふっと微笑めるようなラスト。あぁ、終わったんだなーと思った。
お話の中の人物とはいえ、宮じい、あなたに出会えたことは私にとっても大きなことでした。どうかこれからも、仁淀の神様となって、みんなのことを見守っていてください。

・・・そして、宮じいのモデルになった方がいらっしゃるということでしたが。その方も神様になられたとのこと。この場を借りて、ご冥福をお祈りいたします。。。



**空の中【単行本】(2006.10.21)


空の中 (角川文庫 あ 48-1)

この記事へのコメント

たまねぎ
2008年06月29日 22:28
単行本を持っているので、書き下ろしだけ立ち読みしちゃったんですが、そこは書いてくれるなよと思っちゃいました。クジラの彼で高巳と光稀の話は書いたから今度はこっち、ってのはこちらとしても嬉しい限りなんですけどね。悲しみが顔に出ないように読むのが大変でしたよ。
すずな@主
2008年06月30日 11:47
>たまねぎさん
確かに、できれば読みたくないお話でしたね。
それにしても、このお話を立ち読みってのは、なかなかキケンだったのでは・・・^^;どうしてもウルッときちゃいますもんね;;;
2008年07月22日 13:13
こんにちは。ようやく感想をアップしましたので、TBをよろしくお願いします。
今回、すごく読みやすかったです。でも、どこがどう加筆修正というのは、わからなかったです。
それにしても、この厚さ。当初の予定とおりにラノベとして出版されていたら、3冊ぐらいになっていたのでしょうか。どうせなら、「ファイターパイロットの君へ」も一緒に読みたくなりますね。
すずな@主
2008年07月22日 16:13
>あまねちゃん
そうなの。読みやすかったよねぇ。でも、私もどこが加筆修正されてたのか分からなかった;;;
たしかにラノベだと3冊分くらいにはなりそうな厚さだね~(笑)本屋さんで手に取るとき、あまりの厚さにびっくりしたよ☆
苗坊
2013年12月11日 08:51
こんにちは。
過去記事に失礼いたします^^;
文庫になって加筆修正されていたんですね。最後の短編はきっとそうだろうなと思いましたが本編も多少変わっていたんですね。
デビュー2作目なんですねー。全然そんな感じはしません。フェイクの行く末と光稀と高巳、瞬と佳江の展開が気になって、分厚かったですが読む手が止まりませんでした。
「宮じい」の存在はとても大きかったですね。
最後の短編はきっとそうなんだろうなーと思ったらやっぱりそうで。悲しかったです。
すずな
2013年12月12日 15:12
>苗坊さん
いつもいつも本当にありがとうございます!

加筆修正箇所がよくわかってないんですが、そのようです(笑)
ホント、これがデビュー2作目とは思えないですよねぇ!凄いですね。
「宮じい」は良いですよね~。もう、大好きな登場人物です。こんな大人になりたいもんだ!と思いますが、なかなか難しいですねぇ^_^;
最後の短編は良かったんですけど、切なかったですね。

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