龍の契り(服部真澄)

著者のデビュー作。
ちょっと前にこの著者の「エクサバイト」という作品を読んだ時に、『まったり読書日記』のエビノートさんにお薦めいただきました。

これがデビュー作って凄すぎです。文句無しに面白かった。どんどん深まる謎。誰と誰が繋がっていて、本来の真実の顔は何なのか。読めば読むほど分からなくなってきて、先へ先へとページを繰る手を止められない。止まらない。2段組でボリュームのある作品でしたが、それが気にならないくらい面白かった。楽しかった。エビノートさんのオススメどおり最後までとってもワクワクしながら読めました!実は、「エクサバイト」よりも面白いと感じてしまった。最新作よりもデビュー作の方を面白いと感じたということは・・・。うむ、なんだかちょっと複雑です。

香港返還について英国と中国の間で交わされた極秘文書の存在。その文書を巡って、英・中・米そして日本の4カ国間で繰り広げられる争奪戦と各国の思惑。

読み終わった直後の感想は、何と言ってもち、「チャーリーっ!!」でした(笑)なんてこったい!そんなことがあっていいのかーっ、完璧に騙されたよーっ、てなもんです。チャーリーもだけど、なんだと!?二人かいっ!ってのもありまして。もうね、そのせいで頭が混乱して、途中、何度も???が点滅しまくったんだよねぇ。そんな種明かしがあったとはねぇ・・・。そういや、最初にそんな伏線があったなー、カメラマンがあれ?ってなことを呟いていたなー、と思ったのは読了後のことでした。おまけに、4カ国の人間達がそれぞれの思惑で動くもんだから、入り乱れすぎちゃって。頭の中を整理しながら読むのも大変でした(笑)日本名は大丈夫なんだけど、外国名になると、途端に名前と人物を一致させるのが難しくなるんだよね;;;

日本の外務省関係では、”結婚退職”のくだりが面白かったといいますか。最初にピンときたクチなんですが、そこはそこで終わりでして。おぉーっ!と思った分、物語には殆ど関係無くってちょっとガックリ。日本の外務省とかあそこら辺も、もっともっと絡まりあって展開するのかな?とつい期待しちゃったんで・・・。出来ることなら、彼女にも登場してもらいたかったなぁ・・・。そっち関係の陰謀といいますが、そういうお話も描いて欲しいわーなんてことを思ってみたり。でも、そういうお話を描くっていうのは、実際問題として難しいのかな。

中国への香港返還を巡る陰謀を描きながら、日本の辿ってきた道への無念さみたいなものを感じる作品でもありました。西欧化への道を歩んできた日本。それまで脈々と受け継がれてきた”日本”を捨て去ってしまう必要は無かった筈だ。それに気付いて欲しい、無くさないで欲しいという想い。日本はアジアの中の1国であるのだという事実。だから、中国には同じ道を歩んで欲しくない、同じアジアの国として、共に歩んで行くべきであるという強い想いも感じました。世界の中の”日本”という前に、アジアの中の”日本”というものを考えた作品でもありました。


龍の契り (新潮文庫)

この記事へのコメント

2008年06月21日 21:50
すずなさん、読んでくださってありがとうございました~♪楽しんでいただけたようで、嬉しいです(^_^)
主人公?の外交官(名前忘れちゃったけど…)の日本や中国に対する思い、何だか共感しながら読んだ覚えがあります。現実でも日本と中国が、同じアジアの国として手を取り合ってよい方向に進んでいくと良いですよね。
すずな@主
2008年06月23日 10:32
>エビノートさん
こちらこそ、コメントありがとうございますっ!!
オススメ通り、最後までワクワクしてとーっても楽しめました。ありがとうございました♪
外交官の名前・・・私も既に忘れちゃいましたが^^;彼の日本や中国に対する思いには考えさせられたといいますか、ハッとさせられました。”アジアの中の日本”だという当たり前のことを、改めて感じることになった作品でした。

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