ツクツク図書館(紺野キリフキ)

なんというか、かんというか・・・そんな小説でした(笑)

タイトルに「図書館」と付くからには読めねばなるまいて!という、よく分からない使命感で手にした本でした。パラリとページをめくって、一度は棚に戻したりもしました。だって、長い文章があんまりないんだもん。これって、いわゆるケータイ小説と呼ばれるもの?裏の解説を読むと、そうでもなさそう。著者は戯曲を書かれていた方のようで、この文章はそれゆえなのかぁ・・・と得心はいった。むー。と悩んで、どっちにしろ読んでみるべし!と思い直して再度、手にしました。

面白くない本ばかりを集めたツクツク図書館。図書館員は本を読むのが仕事。求人募集を見てやってきたのは異常に着膨れした女。それから、気の弱い館長に、面白くない本を集めてくる「運び屋」、外国の本を読む何語でも読めるという「語学屋」、読んだ本を元の場所に戻す「戻し屋ちゃん」などなど、変わった仕事をする変わった人たちばかりがいる図書館。オマケに元々は洋館だったこの図書館は、テーマ別に様々な部屋に分かれている。

こうやって書いていくと、設定はめっちゃ面白そうなんだよねぇ。ところが、文章がねぇ・・・。メールみたいでして。特に前半は長い文章がほとんどない。言い方を変えると、クドクドとした説明がないってことにもなるんだろうけど。脚本として読むといいのかもしれないなーと思いました。でも、私的にはもうちょっと”文章!”が読みたいぞーという気分に頻繁に見舞われてしまいました。

ところがところが。最初は、この文体に慣れずに挫折しようかなとまで思ったものの、この薄さだしせっかくなんだから最後まで読むべし!と気持ちを切り替えて読み進んでいたら、ラスト付近では、なんだか結構、はまり込んで読んでしまっていました。噛めば噛むほど味が出るって訳ではないんでしょうが、読み進めれば読み進めるほど、味わい深い小説のような気がしてくるというか・・・。自分でこう打ってて、何が言いたいのかイマイチ意味がわかんないけど(笑)

やっぱ、猫ちゃんの登場も大きいのかなーとも思う。本を読む猫「ぎぃ」。真夜中、前足をペロペロと舐めてページをめくるぎぃ。一心に文字を追うぎぃ。最後にぺったんと印を付けるぎぃ。きゃぁーっ、想像しただけでメロメロになってしまいます~(笑)と、思いながら読む私の膝の上には、我が家のにゃんがまるまっていたりしました。ぬほー♪と寝顔を眺める極々甘々なワタクシ(笑)

なんだか、不思議な味わいのある小説でした。この著者の他の本を読もうとは思わないけれど、この小説は、いつか読み返したくなる日がくるかもしれないなー、なんてことを思いながら読了。


ツクツク図書館 (ダ・ヴィンチブックス)

この記事へのコメント

2008年06月15日 18:14
こんばんわ。TBさせていただきました。
味わいのある作品って言う表現が正しいですよね^^;
どうなるのかしら・・・と思っていたのですが。
不思議な魅力がある作品でした。
私、つまらない本でもずっと本を読める仕事なら進んでやりたいと思いますね^^
すずな@主
2008年06月16日 14:52
>苗坊さん
面白い!とは言えないんですが、なんだか心に残る作品でした。不思議な感じでしたよね。
私も”読む”のが仕事なら、是非とも採用して欲しいですっ!
べる
2008年07月19日 12:21
こんにちは。TBありがとうございました。実は昨日TBしてコメントを残そうとしたのですが、こちらの方では「トラックバックできませんでした」とのエラーが出てしまったので諦めたのです。きちんとできていたのですね。失礼致しました。ご感想が自分ととても似ていたので、「そうそう!」と頷きながら記事を読ませて頂きました。不思議な魅力のある作品でしたね。
すずな@主
2008年07月19日 16:28
>べるさん
こちらこそ、TB&ご再訪のコメントありがとうございます!TBではお手数をお掛けしてしまったようで申し訳ありません;;;

最初はむぅ;;;と思いながら読んでたんですが、だんだんと作品世界に入り込んでしまいました。なんとも形容し難い、不思議な魅力を持った作品でしたよね~。
2011年01月06日 18:11
私にとって面白くない本って、どんなのだろう?と想像しながら読みました。
きっと研究書のたぐいに違いない……。

ぎぃの存在がなければ、この本がつまらない本に感じられたかもしれません。
なんだか、とても切なくなりました。ぎぃにとってはハッピーエンドだったかもしれないけど。
余韻が残りますね。脚本家だったと聞いて納得。
すずな
2011年01月07日 12:52
>香桑ちゃーん♪
あららら^^;研究書は香桑ちゃんの職業柄「読まなきゃいけない」本になるからかなぁ。私にとっての面白くない本は…純文が…以下自粛(笑)

ぎぃの存在がが良かったね~。真夜中に本を読む姿を想像してメロメロになりました^^;
そう!不思議な余韻の残る作品でした。

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