対話篇(金城一紀)

先に読んだ「映画篇」がとっても素晴しく、かなり印象深い作品だったので、対を成すようなタイトルのこの作品を手に取るのは、ちょっと躊躇していました。期待が大きすぎて、期待はずれ;;;ってことにならないか不安だった。たしかに、「映画篇」には及ばないものの、優しい気持ちになれた読後感の良い作品でした。

「恋愛小説」「永遠の円環」「花」の3篇の中編からなるこの作品。タイトル通り、人と人との「対話」によって物語が綴られる。どの主人公も、大切な人を亡くしていて、それを誰かに語ることによって、その苦しみとか悲しみを受け入れていく、浄化させていくという感じでした。淡々と綴られる文章が切なさをより増して、哀しくも痛々しい気持ちでいっぱいになる。でも、読後感は悪くないんですよね。最後まで読むと、なんというかですね、清々しさみたいなものを感じてしまうというか・・・。

特に好きだったのは、最後の「花」。元妻の遺品を引き取りに行く老弁護士。彼と共に、国道を1号線→2号線→3号線と南下して鹿児島まで車を走らせるのは、動脈瘤によっていつ死が訪れるか分からないという青年。終点に近づくにつれて、二人の対話がずんずんと胸に響いてきました。そしてラスト。ぱぁ~っと広がる紫が目に浮かぶようでした。目頭が熱くなりました。

じわーっと心に沁みる作品でした。


対話篇

この記事へのコメント

2008年05月19日 11:59
こんにちは。TBのみで失礼致しました。
なぜカキコしていないのだろう・・・
しかもTB間違っていますね^^;最悪だ・・・
今、TB出来ないのですが、夜にでも再度TBさせていただきます。
素敵な作品ですよね。
金城さんの作品ははずれがないです。
そして、あったかくて素敵です^^
「花」が私は特に好きでした。
映画も良かったんですよね^^
すずな@主
2008年05月19日 13:30
>苗坊さん
あ;;;すみませんっ!
苗坊さんの記事にコメントをつけたつもりが付いてなかったようです^^;;;
TB&コメントはちゃんといただいてます!・・・ただ、内容が「映画篇」だったみたいなので、コメントのみこちらで勝手に移行しました。すみません;;;

「映画篇」とは違った魅力で素敵な作品ですよね。私も「花」が一番好きでした。
金城作品は、まだ2作しか読んでないので、他の作品も読みたいです!
この作品って、映画化されてるんですね~。知らなかったです^^;

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