ストーリー・セラー(有川浩)

Story Seller 小説新潮5月号別冊掲載の中編。

この雑誌”も”買わないつもりだったの。でも、グイン・サーガの新刊を買いに行った本屋さんで目にしたら、我慢できなかった。有川さんだけじゃなくって、他の作家さんも魅力的だし、なによりもこの雑誌のコンセプトが本好きの心をくすぐるじゃないですか!気が付いた時には、しっかりと胸に抱えて本屋を後にするところでした。あ~ぁ;;;基本的に雑誌は買わない人なのに、最近ではこの誓いを有川さんによく破らされる(笑)


号泣。

読み終わって顔を上げて、はぁーっと一息ついて、それでも止まらなくって、しばらくえぐえぐと泣き続けてしまった。
ヤバイナー。アシタモシゴトナノニ、コンナニナイタラメガハレチャウヨー。
一瞬、冷静な思考が頭をよぎるものの、止まらない、止められない。もう一度、ラストを読み返して、またまた涙。いや~有川さんのお話では、だいたい泣かされるんだけど、ここまで泣いたのは「レインツリーの国」以来じゃなかろうか。

最初は、「・・・こ、これは、小説という名を借りた旦那様への公開ラブレター!?」って思っちゃったんですけどね。いや、ホントに。彼視点で描かれている作品なんだけど、彼の彼女への気持ちもさることながら、彼女の彼への気持ちもずんずんと伝わってくる。おまけに、設定やら彼女の性格がびみょーに有川さんにリンクしちゃうんですもん。もちろん、実際には有川さんとの交流なんてあるわけがないから、日記やあとがきから受けた印象では、なんだけどね。さらに、編集者に怒ってる場面では、どっかで読んだようなエピソードまで描かれてるし(笑)なんだか、有川さんの旦那様への愛がたっぷり詰まってるような滑りだしに、ラストはちょっと切ないものになりそうだとは思いつつ、うわー;;;「別冊 図書館戦争Ⅰ」に続いてのベタ甘路線だ~と、ちょっと慄きつつも大喜びで読んだ。

彼の「読む側」の気持ちに「そうそう、そうなんだよねー。わかるわー、それ。」と、深く同調。私も小学校高学年~中学生の頃かな、自分は書く側じゃなくて読む側の人なんだと自覚したので。自覚したものの、そこそこの読書好きだった私は、そこそこの文章を書いてたらしく、クラス代表として人前で自分の文章を読まされたり、冊子に掲載されたりして。自覚前の小学生の頃なら良かったんだけど、自覚してからは、明らかに「書く側」って分かってる人の横に並ぶのがすっごくイヤだったなぁ・・・。肩身が狭かったなぁ・・・。あ、なんか横道に逸れた;;;
だから、身近に「書く側」の人がいるって知った時の驚き。読ませてもらって、めっちゃ自分好みの文章だった時の喜び。我を忘れて、強引に読んでしまった彼の気持ちがよぉーーーく分かる。そして、これを自分だけのものにしてしまっていいのか?と思った気持ちも。さすがに、家族でもない私には無理強いは出来ないけど、あの人の文章を公開しないのは勿体ないなーと今でも思ってる。思ってるのよー。・・・誰に向かって言ってるのやら(笑)

「書く側」の人の気持ちというのも、初めて知った。そうか、そうなんだ、彼同様意外に思いつつ、そうだよなーと納得した部分もあった。文章を書くって、自分を切り取るようなものなんだろうし、自分をさらけ出すって、そうそう誰に対しても出来るもんじゃないもんね。そういうものを見せてくれている作家さんに、改めて心から感謝を・・・。

前半は、うふふふーと読んでいたんだけど、後半に入ってガラリと印象が変わる。・・・壮絶。そこまでしなくっても;;;と思うくらい容赦ないんだもん。甘ーい気持ちで読んでた分、悪意の塊がモロにぶち当たってしまったような感じでした。でも、そこが有川さんなのかな、とも思う。だからこそ、私がここまで惹かれてしまうのかな、と。

そして、ラスト。
ラブレターの往復書簡風と言えばいいのでしょうか。二人の切ない気持ちが、私の涙腺を容赦なく緩ませる。止まらない、止められない。堪らない。

この雑誌のコピーどおり、読み応えは長編並、読みやすさは短編並、な小説でした。この作品を読めたことに感謝。

それにしても、「阪急電車」を読んだときにも思ったけれど、有川さんっていろんな引き出しを持ってるなぁ。次にどんな作品が読めるのか、とーーっても楽しみ。有川さんと同じ時代に生まれたことに感謝したい。有川作品を読めて幸せです。・・・ちょっと大袈裟?ま、大泣きした興奮がまだ続いてるってことで、ご勘弁を(笑)

あ、作品の最後に今後の刊行予定が!自衛隊短編集に「空の中」文庫化ですよ!それも、書き下ろし付。そして、「別冊 図書館戦争Ⅱ」も!楽しみー♪ところで、6月末と6月下旬って、どこが違うのでしょうか?(笑)


さ。この雑誌の他作品も読まなくちゃ。どの作家さんも、好きだったり気になってる方ばかりなんだよねー。ますます、読むのが楽しみになってきた。

Story Seller (ストーリーセラー) 2008年 05月号 [雑誌]

この記事へのコメント

2008年04月17日 16:24
この小説には、ががんとやられてしまって、しばらく余韻に浸っていました。インパクトの強い小説でした。こういうの、私はだめなのよ~。必ず、泣いちゃう~~~。
すずなちゃんに何か言われているような気もしないでもないですが、TBをよろしくお願いします。笑
すずな@主
2008年04月17日 16:59
>あまねちゃん
言われてない、ない。気のせい、気のせい、気の・・・んん?(笑)

なかなか強烈なインパクのある小説だったねぇ。読み終わってしばらくは放心状態だったです。
私も号泣でした;;;
2008年05月01日 22:27
すずなさん、こんばんは(^^)。
いや~、泣きましたっ!
でも、私は有川作品がもっともっと好きになりました。
そして、相変わらず怒涛の白旗上げまくり文章を書いておりまする(笑)。
すずな@主
2008年05月02日 14:23
>水無月・Rさん
すーっごく泣けましたね!!
私も、もっともっと有川作品が好きになりました。有川作品でキチンとした感想は書けません。理性を飛ばしまくった感想になってしまいます;;;
・・・もう諦めてます(笑)

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  • (雑誌)ストーリー・セラー

    Excerpt: 有川浩 2008 Story Seller(小説新潮5月号別冊) 号泣。これは、 Weblog: 香桑の読書室 racked: 2008-04-17 16:21
  • 「ストーリー・セラー」を読む

    Excerpt: 『ストーリー・セラー』有川浩/著[StorySeller(小説新潮5月号別冊2008spring)掲載:新潮社刊]StorySeller(ストーリーセラー)2008年05月号[雑誌]本ブログ勝手に推奨.. Weblog: 怪鳥の【ちょ~『鈍速』飛行日誌】 racked: 2008-04-18 07:06
  • 「ストーリー・セラー」/有川浩 ◎ (小説新潮5月号別冊『ストーリー・セラー』掲載)

    Excerpt: 滂沱の涙。 病死ものは苦手、とかそういうのはもう、関係ない。 人前であるのに、涙が止まらなかった。 作家・有川浩。この人は、『書ける側』の人だ。 そして、私は『書けない側』つまり「読む側」の人.. Weblog: 蒼のほとりで書に溺れ。 racked: 2008-05-01 22:22