いっぺんさん(朱川湊人)

表題作を含む8編の短編集。朱川さん初読み。

タイトルと装丁の感じから、懐かしいあの頃を描いたほのぼの系だと思って読んだんです。確かに表題作の「いっぺんさん」は、どっちかというとほのぼの系・・・かな、という感じだったんだけど、そのイキオイで残りの作品を読んだら「あれぇ?」という感じでした。懐かしさを感じるものもあるんだけど、ほのぼの系ではなく、おもいっきりホラー系でした。

まぁ「いっぺんさん」も、ほのぼの系とはちょっと言えないような内容でしたね。いっぺんだけなら、死者を生き返らせる以外のどんな願いでも叶えてくれるという神様にお願い事をした二人の少年のお話。かなり切なく哀しいお話でした。でも、優しいお話。最後は、ホロリとさせられました。ちょっと泣けました。

他の7編は、懐かしさを感じるのは感じるお話なんだけど、それよりも「ひょぉー;;;」ってのが強かったですね。ゾクゾクッと恐怖を感じるものが多かった。なんですかーっ、これはフェイントじゃないかーっ、と心で叫びながら読んでしまった。子供が主人公のお話が多かったのもあって、恐怖を感じつつ、それ以上に悲しみを感じるお話も多かった。最後の「八十八姫」なんかは特に。子供って、その共同体の意思に従わざるをえない、抵抗できない非力なものなんだ、ということを、改めて感じさせられたお話でした。


いっぺんさん (いっぺんさん)

この記事へのコメント

2008年03月28日 22:29
怖さを感じる話、多かったですよね。
朱川さんの作品は思いっきりホラー系なんですが、昭和30年代が舞台だったり、怖さの後に残る哀しみや切なさについついホロリとしてしまうものが多いです。
「いっぺんさん」と「八十八姫」がお気に入りです。
すずな@主
2008年03月29日 11:54
>エビノートさん
ちょっとゾゾォっとするお話が多くって、ドキドキしながら読みました^^;
でも、怖さだけじゃなくって、何かしら後に残るお話ばかりでしたね。他作品も読んでみようという気になりました。
私もその二つの作品が好きでしたー!

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