むかしのはなし(三浦しをん)

桃太郎にかぐや姫に浦島太郎などなどの昔話をベースにした三浦版昔話の短編集。

・・・と思って読んでいたら、それぞれのお話が独立しているようにみえて、実は最後まで1本に繋がっていた!という驚きをもらえました。連作短編集だったんですねぇ。そして、このタイトルも味があるといいますか・・・。読み終わってから、もう一度噛み締めるようにタイトルを眺めてしまいました。そして、ちょっぴり切ないような、寂しいような、そんな気持ちにもなったり。

三浦作品初読みだった「風が強く吹いている」が個人的に「スゴイ!」でして、その勢いで他の作品も読んだんだけど、それがどうもイマイチだったりしてね。うーーん、風が~の方が三浦作品としては、ちょっと毛色が違った作品なのかな、とか思い始めたところでした。

ところが、この作品は見事に私のツボを突きました!こういうの好きです。どのお話も、誰かの独白という形を取っていて、誰かが読者に向かって語り聞かせるというイメージで、そういう「昔話」のような色合いも好きでした。ただ、本来の昔話のように「めでたし、めでたし。」で終わるお話ではないところが三浦流なんでしょうか。ハラハラして、ドキッとして、ゾクッとして、うっわぁぁっとなってと、ちょっとブラック系。最初のお話はそこら辺の巷で起こったような事件?だったのに、気が付くといつの間にか未来のお話になっていたのも嬉しい驚き。おぉっ、そうきたかっ!と心が弾んでしまいました。内容的には、そう心弾むお話ではなかったんだけど;;;

最初にも書いてますが、この構成が良かったです。みんながよーく知っている昔話がベースになっていて、それぞれが独立した短編集のようでいて、実はいつの間にか繋がっているという連作短編集。そして、最後まで読むと、なんだかひとつの長編小説を読んだような気分にもなれて。

他の三浦作品をもっと読みたいな、という気分になりましたとさ。めでたし、めでたし(笑)



むかしのはなし

この記事へのコメント

2008年03月28日 22:47
よく知っている昔話をしをんさんが料理したらこんな感じになるのか~と興味深く読みました。私にはこんな発想思いつかないなぁ~さすが。
いつの間にか近未来の話になってる構成も良かったですね~。でも、読んでるとどこか昔話という感じもして、不思議な感覚を味わいました。
すずな@主
2008年03月29日 11:58
>エビノートさん
まさに「さすが!」と唸りたくなるくらいお見事な「昔話」でしたよね。
そして、その魅力を最大限に発揮させるような構成!おっしゃる通り、未来のお話なのに昔話を読んでるような錯覚を起こさせるものでした。
たまねぎ
2008年03月30日 01:42
すずなさんこんばんは。この本はそのタイトル通り「むかしのはなし」なんですよね。それが見えた瞬間にはオオッ!と感嘆してしまいました。
2008年03月30日 05:30
こんにちは。初期の三浦作品(エッセイをのぞく)では、たぶん1,2位を争うくらい好きな作品です。この作品で見せた実力の片りんは、いまやもうあふれんばかりに発揮されてますよね。次はどんな作品を書いているのだろう??と期待が高まります^^
すずな@主
2008年03月31日 11:43
>たまねぎさん
私も途中で気がついて「オオッ!」と思いました。そして、読み終わった後にタイトルをしみじみと眺めてしまいました。

>まみみさん
これって初期の作品なんですね~。これを先に読んでいたら、他の作品もどんどん手に取っていたかも、と思いました。
最近の作品も読まなくちゃ!
2008年08月04日 20:50
こんばんわ。TBさせていただきました。
この作品、直木賞候補作だったらしく、初期作品でもやはりしをんさんは凄かったのだと再認識しました。
面白かったですね~
連作短編だと知った時はおお!と思いました。
すずな@主
2008年08月05日 11:52
>苗坊さん
直木賞候補作だったんですね~。納得の1冊でした。
面白かったですよね!私も連作だと分かった時には、驚きと嬉しさがこみ上げてきました。

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