カシオペアの丘で(下)(重松清)

カシオペアの丘で(上)」の続編。”ゆるされる”お話だと思っていたら、”ゆるす”お話でした。


ずたぼろ。ぼろぼろ・・・。
この物語に泣かされ、自身のパンドラの箱を開けてしまって討ち死・・・という感じでしょうか。

それにしても、最初から泣かされまくりました。そして、最後まで泣かされっぱなし。最初の方なんて、会社で読んでたんだよねぇ。会社で読み始めた私がバカだったんだけど、もうどうにも我慢できなくって、鼻をぐすぐす言わせながらティッシュの箱に手が伸びてしまいました。不覚。

自身の、そして友の死を前にして、それぞれがそれぞれの荷物を降ろす日がくる。誰かを許し、誰かに許され、そして自分を許す日。
許すのは難しい。理屈では分かっているんだけど、そうしたいとも思っているんだけど、どうしても最後の最後のギリギリのところで許せないことがある。そして、誰かを許すよりも、もっともっと自分を許すのは難しい。

それをやってしまった彼らは凄いなぁ、と素直に思う。ミユさんもだし、川原さんはもっと。そりゃぁ、フィクションだからと言われればそうだけど、でも簡単にフィクションだからね、とは言いたくない。みんな、どんな人だって、いつか、それが自身の死を前にした時なのかもしれないけれど、許されるんだと思いたい。そんな思いに縋ってみたい。

今夜は空を見上げてカシオペアを探してみようかな・・・。

*****
この物語を読んで、私はあの時の自分が許せないんだということが分かった。そうか、そうなんだなぁ。今でも、あれが精一杯だったとは思う。あれ以上は無理だった。でも、もっと違うやり方があったんじゃないか。私がもっと大人だったら。広く遠く見渡せていたら・・・。彼らを巻き込まずにすんだんじゃないのかなと思う。その思いはずっとずっと消えない。消せない。優しい彼らは変わらず私の周りにいてくれる。それが嬉しい反面、時々辛くなることがある。罰当たりな。許してはいけないと思う。彼らが許しても私だけは許してはいけない。忘れてはいけない。その思いは今でも変わらない。でも、いつか。ずっとずっと遠いいつか。死を前にした時にでもシュンのように自分を許せる日が来るかな・・・。


カシオペアの丘で(下)

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  • 【カシオペアの丘で】 重松清 著

    Excerpt: 最初の数ページで「涙」してしまった… ところが、、、「エェッ!?」そりゃないよ、重松さん… 一体、あなたは何を伝えようとしているの? 肺の腫瘍は、やはり悪性だった―。 40歳を目前にし.. Weblog: じゅずじの旦那 racked: 2008-03-01 22:28