映画篇(金城一紀)

ぬわーぬわーぬわーっ、と意味不明な言葉を叫びたい気分です(笑)
いや~良かった。心のささくれにそぉーっと沁み込むような温かさを感じました。金城さんって初読みだったんだけどね。またしても、追っかけたい作家さんが増えてしまったようです。そして、この作品が本屋大賞にノミネートされなければ、きっと手にすることはなかっただろうと思うと、本屋大賞の主催者様に感謝ですね。

映画がきっかけで知り合った同じ町に住む人々を描いた5編の短編連作集。5つの物語は、それぞれが独立しているようでいて、「ローマの休日」で繋がっているって感じかな。この作品を読んだらね、もう無性に映画が観たくなりますねぇ。特に「ローマの休日」なんて、今度の休みにレンタルショップに駆け込んでしまいそうなイキオイですよ。

最初のお話は、実はちょっと合わなくって・・・。どうも、こういう感じは私の苦手な分野のようです。そういう訳で、なんとか気力で読んでいたんだけど、読み進むうちにだんだんと引き込まれていってしまいました。不思議。なんというのか、気付かないうちにしずしずと心に沁み込んでいってたとでも言えばいいのかな。最後はかなり切ない。「太陽がいっぱい」のラストを思い浮かべつつ、胸をぎゅぅぅっと鷲掴みされたような気分になりました。

最初のお話のラストで、がっちりと私のハートを掴んだ金城さん。もうね、その後は最後まで掴んだ手を離すことはなかったです。離してくれなかったという感じです。そんな訳で、残り4編は一気に読了しました。それぞれ違う主人公に、内容もそれぞれ違っていて、そのバラエティに富んだところも良かったですね。どのお話も、切なくもあり楽しくもあり、心揺さぶられるものがありました。

特に最後の「愛の泉」が良かった!まさか、あの「ローマの休日」にもそんなエピソードがあるとは!という驚きと喜びで自然と笑みが浮かんできました。途中で、「うわ、(「ローマの休日」上映会って)そういうことなのか!」と分かったら、もうね、泣きそうになりましたよ。ってか、全然しんみりするところでもないっていうのに、そこからはかなり涙腺を緩ませながら読みました。最後はハラハラと流れる涙を止められませんでした。でも、泣くだけじゃなくって、かなり笑わせても貰いました。ラストのオチにもね。まぁそこはですね、その前にフトこぼしていた教授の一言で、そういうことになるんじゃ?という予感はあったんだけどさ(笑)

一気に読んだ、って書きましたが、実は違うの。最後の章は、もう本当に読み終わるのが勿体なくって・・・。そこでつい、一旦、読むのを止めて、梅こぶ茶を入れて飲んだり、友人に携帯メールを送ったりと、そんな無駄な動きをしてしまったりもしたのです(笑)

そういえば、「ショーシャンクの空に」の話題が出てきて。主人公が、イナゴとか、その他にも色んなエピソードを教えてもらうっていうところがあったんだけどね。うわーっ、私もお気に入りの映画なんだよ!その話、聞きたいよーぅと、主人公を心底、羨ましく思いました。いいなぁ・・・。ねぇ、誰か知ってたら教えて(笑)


映画篇

この記事へのコメント

2008年02月16日 21:07
日頃あまり映画を観ない私でも、この作品を読むと映画を観に行きたい~と思ってしまいました。というか、この作品を映画化したら、素敵な映画になりそう♪と、ふと思いました。
2008年02月17日 20:43
「ローマの休日」の使い方が絶妙でしたよね。ちょこちょこ出てたのはこういう…!!って終息の仕方が絶妙でした。うまいなぁ~。
本屋大賞に選ばれてしかるべき作品だとは思うんですが、インパクトや話題性にはちょっとどうかなと思うこともあり、1位に選ばれるのは難しいかもしれない…と個人的には思ってます。でもノミネート作ということで、普段金城さんを読まない人にも読んでもらえるっていうのはいいことだなぁと思ってます^^
すずな@主
2008年02月18日 14:37
>エビノートさん
映画が観たくなりますよね!この作品の映画化!うわーそれは観たいですねぇ。

>まみみさん
そうそう、私も「こういう・・・!!」でした。素敵なラストでしたね。たしかに、私も1位になるにはちょっとインパクトが弱いかなーとは思います。ノミネート作を全て読破してないんですが、現時点での1位予想は他作品ですし。でも、まみみさんのおっしゃるとおり、私みたいに今まで読んでなかった人も手に取るキッカケにはなるでしょうね。そして、他作品も手に取りたくなるんじゃないでしょうか。
2008年05月19日 10:56
こんばんわ。TBさせていただきました。
素敵な作品でしたね。最初のオードリーの絵が、こう繋がっていくとは思いませんでした。どの作品もあったかかったですね。
すずな@主
2008年05月19日 11:11
>苗坊さん
読み終わった後、心がほわ~んと暖かくなるような、本当に素敵な作品でしたね。
この作品全体を包みこんでくれるようなオードリーの微笑。バラバラのようでいて実はこの微笑で一つに繋がっているという構成も良かったですよね!

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