モップの精は深夜に現れる(近藤史恵)

天使はモップを持って」の続編。

構成が前作と同じで、3編はオフィスで起こる事件を清掃人キリコが一緒になって解決するというもので、最後の1編は大介が家庭(キリコ)の問題を語るというもの。ということで、最後の1編だけは毛色が違うんだよねぇ。ただ、最初の3編はそれぞれ会社が違ってて、中年課長に編集者にモデルさんとお話ごとに主人公が変わります。

内容的にも前作と同じような感じかな。たしかに、殺人事件も起こるけれど、さらりと描いてあるのでそんなに血生臭い印象は受けない。動機がね、「ちょっと困らせちゃえ」というものだからかな。それが、運悪く(言い方が悪いけど)殺人になってしまって、「そんなつもりじゃなかった」というのが犯人の言い分で。ただ、どのお話も人の持つ悪意が根底にあるので、軽くは読めないです。キリコのお陰か、読後感はそんなに悪くないけど。

そういや、1編目の中年課長が主人公のお話はね。事件というよりも、なんだか「悩み事相談」みたいなお話でした(笑)思春期の娘とのコミュニケーションに悩んで、キリコのアドバイスでなんとか友好関係を結べるようになる。それがメインで、職場の事件が味付け程度にちょいと盛り込まれていた、って印象です。

最後の大介の語りのお話はですね。大介とキリコのその後が読めるのは嬉しいんだけど、なんだかちょっと重いかなぁ~という感じで。大介の”気の重さ”みたいなものが鬱々と語られるので、読んでて一番、暗く重くなるお話でした。最後は、ほっとするからいいんだけど、前作もこんな感じでして。2度も同じことをやられると、「ちょっと、やめてよ;;;」なんてことも思っちゃいます。
・・・と言いつつ、次作ではどんな展開になるのか楽しみではあるのだけれど(笑)


モップの精は深夜に現れる (ジョイ・ノベルス)

この記事へのコメント

2008年01月23日 02:03
前作の終わり方でもう会えないって思い込んでたキリコと再会できて、うれしかったです。
最後のお話でハラハラさせるのが、このシリーズの特徴なのかも、です。
すずな@主
2008年01月23日 06:49
>藍色さん
キリコと再会できて私も嬉しかったです~。このシリーズは、もう1冊出てるみたいで、そっちも楽しみです。
最後はちょっとハラハラ;;;でしたよね。次作もそんな感じかしら?とちょっとドキドキしてます^^;

この記事へのトラックバック

  • モップの精は深夜に現れる、近藤史恵

    Excerpt: カバー装画は飯田貴子。 1993年「凍える島」で第四回鮎川哲也賞を、当時二十四才の最年少で受賞デビュー。主な作品「ねむりねずみ」「散りしかたみに」「桜姫」「二人道成寺」(左記4作は歌舞伎シリーズ.. Weblog: 粋な提案 racked: 2008-01-23 02:03