青い鳥(重松清)

号泣。
会社の昼休みに読み始めることになったんだけど、読み始めてすぐに心の中で「げ、げげん;;;」と思ってしまいました。これは人前で読んだらいけない本です!

中学校臨時講師の村内先生。孤独を感じる中学生にそっと寄り添う先生の姿を描いた9編の短編連作集。「粋な提案」の藍色さんにお勧めいただきました。

最初は、うるうる~だったのが読み進むうちに号泣。ボロボロぐちょぐちょとなりながら読了しました。登場する中学生達の姿が痛々しく、その孤独に胸が締め付けられました。いじめ、学級崩壊、虐待に自殺・・・色んな思いを抱えた中学生。その中学生にそっと寄り添うのは、言葉がつっかえて上手く喋れない国語教師の村内先生。酷い吃音の先生は、だからこそ「たいせつなこと」しかしゃべらない。先生の口から出る言葉は、耳で聞いてるのに、いつのまにか心で聴いてしまう。心の奥にすぅーーーーっと染み渡る”たいせつ”な言葉の数々。最初は子供達の痛々しい姿に涙し、その後、村内先生の言葉に涙する私がいました。

どのお話もぐっときて心に残りましたが、特に印象的だったのが、「ハンカチ」「おまもり」そして、最後の「カッコウの卵」。ポケットの中で「ハンカチ」をぐっとに握り締める、その気持ちがね・・・。自分にもそういう瞬間ってあるよな~と思えて。だから余計に少女の気持ちが迫ってきました。「おまもり」は、主人公の少女の気持ちもだったけど、それよりもお父さんの心情にキリキリと胸が締め付けられました。苦しすぎる。これからずっと、柿を見る度に思い出すお話なんだろうな。そして、「カッコウの卵」。それまでの主人公達と違って、このお話だけは”かつての”中学生が主人公。このお話が最後に収められていたのが、すごくすごく良かった。中学生の時に村内先生に出会った少年少女達は、こういう風な大人になっているんだろうなぁ~と思えて、ほっとしたというか、なんというか・・・。

切なさにキリキリと胸を締め付けれれ、優しさで胸が一杯になる、そんなお話。胸の痛みを覚えないお話は無かったんだけど、読後感がとっても良かった。ふんわりとした優しさに包まれたような感覚を覚えました。心に沁みる1冊。

あの頃の私も、村内先生に出会いたかったな。

青い鳥

この記事へのコメント

2007年12月26日 19:34
重松さんの本は人前では読めません。
そういうつもりでなくとも、いつの間にか泣かされてしまうことが多いから。
辛くて泣いちゃうこともあるけれど、物語のなかから伝わってくる優しさやあったかさで涙が出てくることが多いです。
この作品も、そうでした~。
2007年12月27日 03:46
困窮しているナイーブな生徒に、粘り強く注意深く手を差し伸べる村内先生の優しいアプローチが心に響きましたね。
村内先生の話すことへの劣等感を考えるとまた泣けてきたり。
私も上手くしゃべれない方なので(ほとんど話の腰を折られて、言いたかった事に戻すと相手が不機嫌になります、涙)。
すずな@主
2007年12月27日 10:36
>エビノートさん
重松作品は、人前で読むのはキケンですね~。今回、よーく身に沁みました^^;
辛いことよりも、優しさや暖かさにホロリとさせられることが多いですね。
これから、他の重松作品を色々と読みたい!と思わせる作家さんです。

>藍色さん
登場する生徒たちだけじゃなく、村内先生が今までどんな思いで過ごしてきたのか、ということを考えると、泣けてきますね。

話すスピードやリズムが違う人との会話は、言いたいことや伝えたいことが上手く言えなくてシンドイですよね。
藍色さんのレビューは、その作品を読んだ人は「そうそう!そうなのっ!」と思える、読んでない人は「うわ~読んでみたいな~」と思える、どちらにも気配りをされた素敵なレビューだと思います。だから、藍色さんはしゃべることは苦手でも、こうやって言葉を文字にするという素敵な方法をお持ちだと思います~。
たまねぎ
2008年04月13日 22:30
確かに、外で読むのは危険ですね。有川さんとは違った意味で。私は今こうやって色んな人の感想を読んで思い出しているだけでも、じわっときてしまってます。
すずな@主
2008年04月14日 14:03
>たまねぎさん
そうそう。有川さんと違った意味で危険です(笑)
私もたまねぎさんの感想を読んで、じわっときてしまいました。思い出すと涙腺が緩みますね・・・。

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