さよなら妖精(米澤穂信)

たぶん、読み方を間違えた。たぶんじゃなくって、絶対に・・・;;;

この著者は初読みだったってのもあったと思うんだけどね。タイトルとミステリフロンティアってのが前提で、あらすじを読んで、読む前はマーヤは”異世界の住人”(ファンタジー系)かな?読み始めてからは”社会主義国のスパイ”(社会派ミステリー系)あたりじゃ?と、何故か思い込んで読んでしまったんだよねぇ。いつマーヤの正体が晒されるのか、とか、正体はどんな人物なのか、とか。疑いに疑いまくって、そんなに詰まってない頭をフル回転させてドキドキしながら読んだ。・・・なんてこったい。

終わりに近づくにつれ、だんだん自分の勘違いに気付いていく。あっれぇ?なんか変だぞ。そして、読み終わって一言。うっわー、これって、これってっ!いわゆる青春小説だったのかぁーっ。がっくり;;;
思い込みって、いかんですね。決め付けても、ホントいかんですねぇ・・・(泣)このお話は、まっさらな状態で読みたかった。自分でいうのもなんだけど、すっごく残念。ばかだ、私は。読み終わって、かなりへこんでしまいました。

気を取り直して、改めて思い返してみる。

勘違いしてたとはいえ、目が離せないくらい一心に読みました。ただ、うはうは笑っちゃうような面白さではないんだけど。ある雨の日に出会った異国の少女。父親と一緒に日本へやってきたものの、父親とは離れ日本について勉強する為におれ(守屋)たちの街にやってきた。マーヤとおれたちの交流が始まる。彼女が帰国した1年後、彼女がいったいどこの国からやってきたのかという謎解きが始まった・・・。

マーヤの国はユーゴスラビアで、やってきたのが1991年4月。そう、内戦。内戦によって無くなってしまった国。マーヤは、その旧ユーゴスラビアのどこの国に帰っていったのか?無事でいてくれるのか?

高校生活を描きながら、内戦の始まったマーヤの国について徐々に明かしていく。重いお話でした。
恥ずかしながら、かの国の内戦については、本当にぼんやりとした認識しかないんですよね。ユーゴスラビアと聞いて、まず思い出すのは、ピクシー(ドラガン・ストイコビッチ/サッカー)であり、カタリーナ・ビット(フィギュア・スケート)です。ピクシーは旧ユーゴスラビア代表選手でJリーグの名古屋グランパスエイトでもプレーした素晴しい選手でした。カタリーナ・ビットは、旧東ドイツの選手で、サラエボ五輪で金メダルを取り、そのサラエボが戦渦にまみれたことから、プロ参加を認められたリレハンメル五輪に出場。フリーで滑った「花はどこへ行った」は素晴しいものでした。その二人のスポーツ選手絡みで知ったと言っても過言ではない私の知識。当然のことながら、本当に乏しいものだな、ということをしみじみ感じました。もっと、世界の情勢にも目を向けなければ・・・という思いを強くしました。

そしてラストは、脱力するくらい重いものでした。そこに持っていくのか・・・と。
脱力しすぎて、実はあんまり感想は書けないのです。だから、前半の文章は誤魔化しみたいなものになってしまいました・・・。

後味のいいラストではありませんでした。でも、それだからこそ、これは現実に近いものなのかもしれませんね。


さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)

この記事へのコメント

まみみ
2007年11月04日 20:24
こんばんは。この話、「氷菓」から始まる古典部シリーズの原点になるようです。たぶん既刊では一番重いお話なので、ほかの作品はもっとライトな感じで読みやすいかと。でも後味を思い出すとどれも微妙かな……好きな作家さんですが、結構好き嫌い分かれるらしいので、もろ手をあげておすすめがしにくかったりします。
2007年11月04日 23:00
内戦のことなど、ほとんど何も知らなかったです、私。読んでいてそのことにも愕然としてしまいました。もっと知らなきゃなぁ~と痛感しましたねぇ。
米澤さんの小説好きなんですけど、こういう読後感のもの結構あるんですよ~。
『ボトルネック』は後を引きました(^_^;)
すずな@主
2007年11月05日 09:21
>まみみさん
他の作品はもう少し読みやすいんですね。ちょっと、ほっとしました。でも、どれも重い感じなんでしょうか・・・。うーん。とりあえず、他の作品も読んでみます~。

>エビノートさん
私も同じです。この地球のことなのに知らないことが多い;;;と、ちょっと考えたお話でしたね。
米澤作品は、こういう読後感が多いんですね^^;覚悟して、他の作品も読んでみようと思います。ありがとうございます。とりあえず、「ボトルネック」は後回しにします^^;
2008年03月02日 05:21
ユーゴスラビアでスポーツ選手の名前が出てきたのにはビックリ!私は誰も思い浮かびませんでした(汗)。
米澤さん、初めて読むには重過ぎる作品でしたね。胸がしめつけられるような後味が残りました。
私の記事に、米澤作品コンプリート記念(実はこちらの記事を読んでて思いついたガイド企画)で、全作品リンクとおすすめ読み順を書いておきました。お役に立てたら嬉しいですが、他に読む本が目白押しみたいなので、ごゆっくりどうぞ。くれぐれも「ボトルネック」は最後にしたほうがいいです。
米澤といえば、米村圭伍さんの「おたから蜜姫」も待機中ですが、もう読まれませんか? 
すずな@主
2008年03月03日 11:15
>藍色さん
そうなんですよね。初読みだったのに思い作品で・・・。他の作品になかなか手が出せないでます;;;

ガイド企画ありがとうございます!参考にさせていただいて、頑張って読んでみようと思います。
米村さんは図書館の蔵書が無くって読めてません;;;リクエストしてみますね~。
2008年05月26日 21:06
こんばんわ。TBさせていただきました。
今更ながら読みました。
切ない話でしたね。
でも、この作品を読んで良かったと思いました。
世界情勢について、何だか勉強したくなりましたし・・・。
ユーゴ紛争について、無知でしたので^^;
読了後にずしっとくる作品でした。
すずな@主
2008年05月27日 11:18
>苗坊さん
衝撃のラストで、重く切ないお話でしたね。
私も世界情勢について知らないなぁと反省し、もっと視野を広げないと、と思った作品でした。

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